2023年(令和5年) 4月20日(木)付紙面より
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昨年にニッポン新事業創出大賞などで4つの賞を受賞した、鶴岡市の街づくり会社・ヤマガタデザイン(山中大介社長)の「お祝いする会」が18日、同市のグランドエル・サンで開かれ、山中社長(37)が同社の名称を来年4月に「株式会社SHONAI(ショウナイ)」へ変更すると発表した。来年に創業10周年を迎えるのを機に変更するもので、庄内を起点により当事者意識を強めて具体的に行動し「地方の希望となる」との思いを込めた。
同社はショウナイホテルスイデンテラスやキッズドームソライ、UIJターン促進に向けた情報発信の「ショウナイズカン」、50棟を超える自社ハウスでの有機農法を軸とした農業生産など観光・教育・人材・農業の4つの領域で事業を展開。グループ全体の従業員は約120人に上る。
地域資源を生かし、地方都市が抱える共通課題の解決を目指した新たな価値の提案や、革新的な商品・サービスの提供などが高く評価され、昨年に同大賞の経済産業大臣賞と地方創生賞、日本サービス大賞の地方創生大臣賞、地域イノベーション大賞の特別賞を相次いで受賞した。
受賞祝賀会の席上、山中社長は同社の新たなビジョン「地方の希望であれ」を紹介し、「地方にある全ての課題が希望ある事業だ。悲観や批評からは未来はつくられない。当事者として具体的に行動する。地方から生まれる希望が子どもたちの未来をつくる」と宣言し、新社名に込めた思いを発表した。併せて現在14億円の年間売上高を2030年には100億円を目指すとし、30年までに映画「庄内藩」を製作するとの構想も披露した。
お祝いする会には、各賞主催団体の代表ら県内外の関係者約200人が出席。発起人代表で旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久氏が「高い志の下、地方都市の課題解決に挑戦し続けた功績が認められ、地域に住む私たちにとっても誇らしい受賞。今後のさらなる展開と発展を祈念する」とあいさつした。
一方、ヤマガタデザインは18日、経済情報メディアを運営するニューズピックスの元代表取締役CEO(最高経営責任者)の坂本大典氏と共に、新会社「チイキズカン」(鶴岡市)を設立したと発表した。経営人材を求める地方の企業と都市部の人材をつなげるサイトの運営、外部の有識者を活用した経営コンサルティングなどを行う。