2023年(令和5年) 5月14日(日)付紙面より
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鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(荒川和晴所長)の高校生「研究助手」「特別研究生」の任用式・入学式が12日、同市覚岸寺の鶴岡メタボロームキャンパスで行われた。本年度は過去最多となる32人(研究助手17人、特別研究生15人)の庄内地域の高校の1―3年生が選ばれた。最先端の研究環境を生かしてバイオサイエンス分野の研究に携わり、未来の科学者を目指す。
研究助手は、研究所に隣接する鶴岡中央高の生徒を対象に2009年度に始まった。放課後に研究所に通って研究プロジェクトに従事し、アルバイト代も支払われる。特別研究生は11年度にスタート。世界的な研究者を目指すという意欲を持った生徒を対象に、平日の放課後や夏休みなどに研究所に出入りし、スタッフの指導で研究に取り組む。本年度の研究生は鶴岡南2人、鶴岡北2人、鶴岡工業1人、羽黒3人、鶴岡東1人、酒田東5人、酒田南1人。
関係者が一堂に会する任用・入学式は、新型コロナウイルスの影響もあり、4年ぶりに開催した。生徒と保護者、スタッフ、来賓の阿部真一鶴岡市副市長、各高校の校長らが出席。荒川所長が式辞で「今日から皆さんは慶應義塾のメンバーであり、科学者だ。失敗も一つの発見。世界レベルの研究者が集まる恵まれた資源があるので、失敗にめげずにチャレンジを続けることに努めてほしい」と激励し、鶴岡中央高の研究助手に任用証、特別研究生に受け入れ証を手渡した。
生徒代表の鶴岡北高3年、工藤真由美さん(17)が「将来は世界に羽ばたく研究者になれるように努力する。この研究所で研究ができることを誇りに思い、楽しんで研究することを誓う」と決意を述べ、三川中出身で鶴岡中央高時代に研究助手を務め、大学院修了後に先端研研究員となった渡部康羽さん(28)が後輩たちにエールを送った。昨夏の高校生バイオサミットで鶴岡市長賞を受賞した羽黒高3年の五十嵐龍翔さん(17)は「何かの大臣賞など今年はもっと大きな賞を取りたい。特別研究生3年目でもあり、高校生として論文投稿も挑戦したい」と意欲を見せていた。