2024年11月27日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 5月17日(水)付紙面より

ツイート

交通安全運動期間に思う雑感

 春の「交通安全県民運動」の実施中だ。最大の目標は「交通死亡事故ゼロ」。かつて全国の交通事故の死者が年間1万人を超え「交通戦争」という言葉も生まれた。警察庁のまとめで2022年の交通事故死者が2610人まで減ったのは、道路環境や車両の安全対策が進められ、交通安全意識の高まりによる。その意識をより高めていかなければならない。

 一方、高齢者の運転に起因する事故防止が社会問題になっている。アクセルとブレーキの踏み間違いで大事故につながったという話はよく聞く。年を取れば瞬間的な判断力が衰えていくことがあり、運転免許証自主返納が話題になるが、高齢者の日常行動の“足”の確保も大きな課題だ。

◇      ◇

 高齢者の車がスーパーの店内などに突っ込んだというニュースを聞く。いざという時、正常な判断行動ができるかなどを知るため、高齢者の免許更新時の講習で認知機能検査や、実際に教習所のコースでの運転講習もある。段差の前で停車し、アクセルを強く踏んで段差に乗り上げた瞬間にブレーキを踏んで停車させる講習も、とっさの判断力と動作を調べるためだ。

 運転免許証自主返納が呼び掛けられて久しい。自主返納を促すため、高齢運転者に車を運転しない生活を1カ月体験してもらう「お試し自主返納」をしている県もあるという。県内各地の商業施設などでの割引サービスの特典、電車の1日乗車券割引購入、一部の自治体では乗り合いタクシーの回数券の無料配布もあるという。ただ、乗車券割引やタクシー回数券配布には制限があるだろう。

 鶴岡市の庄交コーポレーションと庄内交通は、昨年10月から市内循環バスの運行経路とダイヤを大幅に改めた。循環バスを12人乗りのワゴン車にし、従来の1日12便から48便に、バス停は58カ所から80カ所に増やした。バス停の間隔を短くすることで高齢者らの行動を支えようという狙いだ。地方の公共交通機関は人口減少で経営は苦しい。そんな中で、運行形態の見直しには利便性の向上で“買い物弱者”の足になろうとの発想がある。

◇      ◇

 高齢者に起因する事故が増えていることは事実としても、地方では車なしでは生活が成り立たない事情も多い。自宅の近隣にスーパー、医院などがない人はどうすればいいのだろうか。道路事情や公共交通機関がくまなく走っていないとなれば、車に頼らざるを得ないのも現状であろう。

 4月から改正道路交通法で、自転車に乗る人もヘルメット着用が努力義務化された。もちろん大人も子どもも。自転車事故による死傷者の約6割がヘルメットを着用していなかったため、頭部に重い負傷を負っているという。自転車に乗る人は、我が身を守る身近な存在がヘルメットということを、心に命じたい。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field