2023年(令和5年) 5月18日(木)付紙面より
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酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で16日、長年にわたって市民に愛された帆船オブジェの解体作業が行われ、道行く人らが足を止めてオブジェの“出航”を見守った。
オブジェの解体はJR酒田駅前で進められている駅周辺整備事業に伴うもの。オブジェは1996年に観光PRのため市が4基目の「歓迎塔」として設置した。土台を含め高さ11・5メートル。アーチ型の土台部分が歩道上をまたぎ、中を歩行者がくぐれる造り。帆の周囲にはウミネコが舞い飛んでいる様子がステンレスで表現されているほか、船体の下に市の観光イベントをPRする掲示板を設置、夜間はライトアップするなど観光客や市民の目を楽しませてきた。
この日は業者が大型クレーンや高所作業車などを使い、午前8時半ごろから作業開始。初めに作業員2人がオブジェに登って2本あるマストのポールを取り外し、周囲の電線などに注意しながら大型クレーンでつり上げて1本ずつ地上に下ろした。その後、オブジェ本体部分をベルトを使いクレーンで固定。土台部分の4脚を電動カッターで切断し、クレーンでつり上げて駅舎側の解体場所に移動させた。
青空の下、約2時間半で作業終了。駅前を通行する市民らは写真や動画を撮ったり、足を止めて作業を見上げたりと、オブジェの“永遠の出航”を見守っていた。