2024年11月27日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 5月18日(木)付紙面より

ツイート

新たな地域交通 可能性探る 公益大シンポ 再生可能エネルギー活用視野に

 東北公益文科大学(酒田市)の第3回地域連携シンポジウム「地域モビリティとサステナブルシティ」が16日、酒田市の公益大公益ホールで開かれ、有識者3人がパネル討議を展開。再生可能エネルギーの活用を視野に入れた新たな地域交通の可能性、公共交通を活用した持続可能なまちづくりについて考察した。

 経済・産業界との連携を深め、これからの地域産業の姿をデザインするとともに、その実現に必要なものを探るため、公益大が今年2月からシリーズで開催している。

 今回は、小林剛也県総務部長の進行で庄交コーポレーション(鶴岡市)の國井英夫社長、電動モビリティシステム専門職大学(飯豊町)の清水浩学長(慶應義塾大学名誉教授)、公益大の神田直弥学長が意見を交わし、約130人が聴講した。

 國井社長は、同社が昨年10月から鶴岡市内で展開している循環バス拡大事業について解説。バス停留所をそれまでの48カ所から80カ所に増やし、12人乗り新車両を導入、運行路線見直しを図った結果、利用者が3・3倍に増加したことを紹介し、「安く提供できる公共交通はバス以外になく、利用する市民の立場により近づいていくことが大事。市街地を訪れる観光客の足にもなる。バス利用環境は年々出来上がっていく」と述べた。

 「電気自動車(EV)」「自動運転」を集中して学び、研究する今春に開学したモビリティ大学の清水学長は冒頭、「効率の良いものは普及するという思いで40年前にEVの研究を始めた。再生可能エネルギーを活用することでもっと効果が出る」と。そして、自動運転技術の隊列走行と小型EVを組み合わせて需要に応じた利用を行う「LRTT」の概念について説明し、國井社長に共同研究を呼び掛けた。

 交通心理学、人間工学が専門の神田学長は、車利用の功罪について説明。デメリットとして▽高齢ドライバー問題▽都市のスプロール化▽環境負荷の増大―などを挙げ、「免許人口当たりの事故件数をみると、高齢になるにつれて死亡事故が増える傾向のある。これは公共交通、特にバスの利用で解決できる」と。あらゆる移動手段のうち車から排出される温室効果ガスが最も多いことに触れ、「脱炭素型ライフスタイルの観点で最も効果があるのが公共交通の活用。何も高齢者に限ったことではなく、われわれ全てが考えていかなければならないこと」と指摘した。

 小林部長は今回のシンポジウムを踏まえ、「公益大が『知の交流と拠点』としての役割を果たすことに期待したい」と。開会に先立ち上野隆一公益大理事・後援会長は「公益を掲げる本学が地域との連携を図りながら、課題解決に向けた議論を行い、未来への展望を地域と共有することがシンポジウムの狙い。地域創生に役立つことに期待」とあいさつした。

地域交通を活用したまちづくりを考察した地域連携シンポジウム
地域交通を活用したまちづくりを考察した地域連携シンポジウム



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field