2023年(令和5年) 5月19日(金)付紙面より
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酒田市出身で陸上女子走り幅跳びの日本記録保持者の井村久美子さん(42)=旧姓・池田、三重県鈴鹿市在住=を講師に招いての陸上競技指導法研修会が16日、鶴岡市小真木原陸上競技場で行われた。地元の小学生も参加し、子どもたちが楽しみながら体を動かす指導の方法を市内の小学校教員が学んだ。
鶴岡市小学校体育連盟(会長・里見研あつみ小校長)主催。井村さんを講師に招き、地域の小学生が参加する形式での研修会は昨年初めて実施した。今回は鶴岡市内の18校から体育主任を中心に教員20人が参加。井村さんから指導を受ける役として朝暘一小の6年生87人も参加した。
初めに井村さんは児童たちがリラックスできるようスキップなどの軽い運動や、芝生の上で大の字、腹ばいに寝そべって体を伸ばすといった指導を行った。続いて2人一組で背中合わせになって座った状態から、互いに支え合いながら立ち上がる運動、体のばねを使って走るこつなどを伝えた。
緊張気味だった児童たちが次第に笑顔で体を動かす様子を見学した大泉小体育主任の金内太志教諭(31)は「楽しく体を動かし、自然に競技へ結び付いていく指導法に驚いた。授業に取り入れたい」と話していた。また、井村さんは「自分も子どもの頃、父から教えてもらって達成感を味わった。指導者として、できないことができるようになる喜びを子どもたちに伝えていきたい」と語った。
井村さんは小学2年生で陸上を始め、中学1年生で12歳年齢別世界記録となる5メートル97をマーク。中学3年間で全国中学校体育大会の陸上競技女子走り幅跳び3連覇の快挙を達成した。
福島大卒業後、2006年のIAAFグランプリ大阪大会で6メートル86の日本新記録を樹立した。08年の北京五輪に出場するなど活躍を重ね、13年に競技を引退。現在は三重県を本拠地にトレーニングクラブ「イムラアスリートアカデミー」で講師として活動、ジュニア世代を中心に競技技術や運動の楽しさを伝えている。