2023年(令和5年) 5月19日(金)付紙面より
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山形大学(玉手英利学長)と、電気通信工事や電気通信機器開発、情報配信サービスなどのニシム電子工業(福岡市、山科秀之社長)は17日、農業分野のデジタル化に関して連携・協力する包括連携協定を締結した。農学部の栽培技術をはじめとする山形大の全体の知見と、ニシム電子工業の電気通信運営ノウハウや農業に関するセンシング技術を組み合わせ、デジタル化に対応した営農支援の仕組みの構築を目指す。
山形大は昨年7月、食の10次産業化(1・2・3次産業による6次産業にDX、ビッグデータ解析など知的集約産業の4次を組み合わせたスマートアグリフードシステム)を推進する山大アグリフードシステム先端研究センター(YAAS)を立ち上げた。これを拠点に、デジタルデータを活用した営農に関する技術開発と研究成果の社会実装に取り組む。
ニシム電子工業は2017年から農業向けITセンサー「MIHARAS(ミハラス)」の提供を通して農業分野に参入した。今回の協定を契機に、社員1人を鶴岡市先端研究産業支援センター内にあるYAASに共同研究員として派遣した。両者は、営農に関わる環境情報や施肥のタイミングといったノウハウをデジタルデータ化してクラウドベースのプラットフォームを構築。実際の営農に生かせる人材を育成するとともに、地域の営農を支えるデジタルインフラの提供を構想する。
協定締結式が鶴岡市の山大農学部で行われ、村山秀樹農学部長が協定締結の概要を説明。玉手学長と山科社長が地域の産業振興や研究シーズの社会実装の推進、人材育成など6項目を内容とした協定書を取り交わした。協定期間は3年。