2024年11月28日 木曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 5月20日(土)付紙面より

ツイート

加茂から庄内観光の魅力発信へ

 6月下旬、鶴岡市加茂に観光と文化を発信する「渚の交番」がオープンする。やや堅苦しい名称だが「カモンマーレ」の愛称が付けられた。マーレはイタリア語で「海辺」を意味し、「加茂に来てね(カモン)」という願いを込めた。浜辺を地域の活性化に生かしながら、豊かで美しい海を次世代に引き継ぐ活動の総合拠点とし、庄内の新しい観光発信拠点になる。

 渚の交番は日本財団のプロジェクト。海辺を取り巻く活動に関わる人々が情報を交換し、海辺を「点」から「線」「面」へと活動の輪を広げ、豊かな海づくりを通じ、地域の活性化につなげる。渚の交番は全国11カ所にあり、加茂地区は東北では宮城県石巻市に次いで2カ所目、日本海側では初の施設。

◇      ◇

 「鶴岡市北前船日本遺産推進協議会」が3年前に設立されている。文化庁の日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間?北前船寄港地・船主集落?」の構成の中心に加茂港がある。かつての日本海交易の主要港だった加茂港周辺の文化遺産を整備し、庄内一円の経済・文化の情報を発信し、地域の活性化につなげていくのが同推進協議会の狙いだが、それに新しい施設が加わる。

 カモンマーレの周辺には加茂レインボービーチ、加茂水族館、加茂水産高、県水産研究所がある。教育と研究拠点地域への立地を強みとしたい。3階建ての施設にはファストフード販売や直売コーナー、庄内の海と里の食材を使ったイタリアンレストラン、海洋教育のワークショップや料理教室などに活用するスペースが設けられる。

 加茂は和同年間(710年頃)、能登からの移り住んだ人によって開かれたとされる。千石船クラスの大型船がなかった時代は、日本海交易による経済、文化が加茂港を経由して庄内に広がった。新潟方面からの出羽三山参拝者は、加茂港に着くと白装束に着替えて参拝に向かったという。往時の“庄内の玄関口”だった加茂港に、時を経て誕生する複合型施設のカモンマーレは、かつてのにぎわいの再来を担うものとの期待が高まる。

◇      ◇

 渚の交番は2009年、宮崎県宮崎市の青島海岸に第1号が開設された。観光地を安心して楽しめるように、地域の情報や観光体験メニューなどを提供し、観光地になくてはならない存在になっているようだ。

 庄内は食材の宝庫だ。カモンマーレに設けられるレストランの料理は、東京のイタリアンシェフの監修を受け、魚介類を中心に在来作物などを使った料理を提供する。加茂以南の海岸線には由良とあつみ温泉、北に湯野浜温泉、山手には湯田川温泉があり、出羽三山信仰などとのつながりを持たせながら、庄内全体の観光と藩政時代からの文化を発信する。カモンマーレには、その新拠点になることへの期待が膨らむ。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field