2023年(令和5年) 5月20日(土)付紙面より
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まだ見ぬ日本を―。米国在住の日系3、4世によるバスツアーの一行30人が18日昼、酒田市日吉町一丁目の舞娘(まいこ)茶屋相馬樓(樓主・新田嘉一平田牧場グループ会長)を訪れ、懐石料理に舌鼓を打ったほか、酒田舞娘の艶やかな舞を鑑賞。日本の伝統文化に触れた一行からは「友人を連れ、また訪問したい」といった声も上がった。
日本、米国、インドに拠点を置き、主としてインバウンド向けの国内旅行を扱っている神洲トラベル(東京都豊島区)が造成したツアー。添乗員を務める同社の勝目美春さんは「まだ見たことのない日本を紹介するツアー。日本が好きで東京、京都などゴールデンルートは何度も行ったという訪日観光客に向け、常に新しいツアー商品を造成し続けている」と話す。
11日に都内をスタートした今回のツアーは「米」がテーマ。勝目さんによると、おいしい米の産地ということでコースに酒田を組み込んだという。一行は新潟・佐渡を経て17日に酒田入り。翌18日はオランダせんべいファクトリー(両羽町)、国指定史跡「山居倉庫」(山居町一丁目)を訪問し、せんべい、つや姫を使ったソフトクリームをそれぞれ味わったという。
相馬樓では、地元産食材をふんだんに取り入れた郷土料理をお重に詰め込んだ「舞娘懐石」を味わった後、英語による施設紹介ビデオを鑑賞。さらに地方(じかた)の小鈴姐さんの奏でる三味線の音色に合わせ、酒田舞娘の鈴涼さんと鈴千代さんが「庄内おばこ」「酒田甚句」など3番を披露した。2人の艶やかな舞い姿に身を乗り出して見入り、終了後は盛んに記念写真を撮っていた。
勝目さんによると、酒田の印象は上々で、「日本人の血が流れているからか米が好きなよう。おにぎりを買い込んだ人もいた。空気も水もきれいで、人も優しいと好評。行く先々で写真をSNSにアップしている。影響力のある人も多く今後、酒田をはじめとしたこのコースは人気になるはず」と話した。
一行は19日まで酒田に滞在した後、仙台市に移動し20、21の両日に市内中心部で開かれる「仙台青葉まつり」に参加するという。ツアーは24日(水)まで続く。