2023年(令和5年) 6月10日(土)付紙面より
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昨年11月に酒田市の酒田南高校(齋藤法明校長)観光地域創生専攻の当時の2、3年生が制作した同市の観光PRソングとバスの安全啓発動画「夕日舞う絵田(EDEN)?2222年へつなぐハピハピデリシャス!?」が、今月1、2日の両日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた「東北映像フェスティバル2023」地域振興コンテンツ部門で大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。関係者は「受賞は多くの人の協力のおかげ」と喜んでいる。
同校では、2021年11月に同市で観光バスの運行などを行う松山観光バス(池田一喜社長)の池田新専務から酒田観光や交通の現状などを聞くなど交流。こうした縁から、同社が同校にコラボを持ち掛け、観光PRソングとバスの安全啓発動画制作を開始した。昨年5月中旬に同専攻2、3年生16人が市街地、八幡、平田、松山の4チームに分かれて各地域の魅力や名所を話し合い歌詞やオリジナルダンスを作成。動画や楽曲などを制作する「COCOSATO」を運営する大沢地区集落支援員の阿部彩人さんと、バンド活動を行っている同校の酒井聖教諭が作曲を担当。「鳥海山さ行ってみようかい」「今だば自信持って言える。さんまず(素晴らしい)街。未来へ思いをつなげていこう」などの歌詞を乗せ、アップテンポで明るい曲に仕上げた。生徒たちの発案でラップパートなども追加。阿部さんが編集作業などを行い、昨年11月に約5分のPRソング動画が完成した。サブタイトルの「2222年」は今生きている人の思いなどを200年後までつなげていこうという意味を込めた。動画は動画投稿サイト「YouTube」で公開されており、現在までに5000回を超える視聴回数となっている。
東北映像フェスティバルは、東北映像制作社協会(仙台市)が主催。地域で制作された優れた映像作品を評価し、映像制作者の技術向上などを目的に10年前から毎年「映像コンテスト」を行っている。
夕日舞う絵田が出品された地域振興コンテンツ部門には、東北6県から全18作品がエントリー。訴求力、企画力、地域性など6項目で審査員が非公開審査を行い、優秀作品5点とそのうち1点を大賞に決めた。映像コンテスト事務局によると、優秀作品の中でも「完全なプロによる作品も多い中で、町や地域を巻き込んで制作された地域性が非常に高く評価された」という。今月2日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた授賞式には同校生徒や池田専務、阿部さんらが出席し、賞状を受け取った。阿部さんは「作品に関わってくれた多くの人の力が集まった結果の受賞」と喜びを語った。