2023年(令和5年) 6月11日(日)付紙面より
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県内で地域の人たちに育まれてきた良質な水質と水量をたたえている湧水。県は「里の名水・やまがた百選」として県内外に広くPRしている。庄内からは昨年度4カ所を認定、計25カ所となった。これから暑い夏を迎え、清々しい湧水に注目が集まりそうだ。
「里の名水・やまがた百選」は、2015年度に設けた。良好な水質と水量があり、多くの人たちに親しまれていることが基準。15年度の13カ所を皮切りに16年度10カ所、17年度10カ所、18年度11カ所、19年度9カ所、20年度7カ所、21年度6カ所、22年度5カ所の合わせて71カ所を有識者7人による選考委員会が選定した。
県水大気環境課は「湧水地として選定された県内71カ所を紹介した冊子を2000部作成し県内各市町村に配布した。県のホームページからダウンロードできるので湧水巡りを楽しんでもらえれば」と話す。
庄内で昨年度追加されたのは▽岩清水(鶴岡市湯田川)▽お不動様の清水(鶴岡市加茂)▽地蔵清水(鶴岡市砂川)▽瑠璃の水(酒田市總光寺沢)。このうち地蔵信仰が厚い鶴岡市砂川地区の地蔵堂にある「地蔵清水」は、苔むした岩の下から湧き出ている。約40年前、この地で地蔵様が発見され地元有志が1988年に地蔵堂を建立。お堂の中に地蔵様を祭った。辺りは木々に囲まれた清々しい環境で、訪れた人たちが湧き出た水に親しんでいる。
加茂地区の新屋敷にある「お不動様の清水」は、かつて街道の休憩所として旅人が清水でのどを潤していたと伝えられる。地区ではお盆の3日間、夜明け前にこの清水をくんで仏前に供える風習があり、今でも続けられている。
「令和四年度里の名水・やまがた百選」の冊子は、フルカラー77ページ。村山25、最上10、置賜11、庄内25カ所の湧水地の写真とマップを付けて分かりやすく紹介している。「里の名水やまがた百選」とネット検索すると画面に表示される。一部動画も配信している。