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2023年(令和5年) 6月14日(水)付紙面より

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日本海に潜む地震津波に備える

 新潟地震が発生した1964年6月16日から59年。震源は新潟県粟島南方沖、地震の規模はマグニチュード(M)7・5。最大震度は5だったが、被害は広範囲に及び、庄内でも多くの家屋が倒壊し死者も出た。それから55年後の2019年6月18日、山形県沖地震が発生した。地震の規模はM6・7、鶴岡市で県内の観測史上最大の震度6弱を観測したが、幸いにも大きな人的被害はなかった。

 日本海で大津波を引き起こした地滑りの痕跡があることが、防衛大学校と岡山大学の研究チームの解析で分かった。本県沖の海底にも痕跡がある。地滑りは繰り返すことがあり、警戒が必要と指摘しているという。地震はいつ襲ってくるか分からない。対策の心構えを刻んでいたい。

◇      ◇

 防衛大学校などは北海道―新潟沖の海底地形の中で、斜面の崩落がはっきり分かる約300地点を解析した。地滑りで海底が大きくえぐられた反動で、10メートル以上海水を上下動させて津波を引き起こし、海岸にも高い水位で押し寄せた可能性があるという。中でも北海道南西沖と山形―新潟沖の2カ所にある地滑り跡は海面を20メートル以上動かしたと推定している。

 地震で海底がずれたり陥没するなどし、その反動で津波が発生する。その現象とは異なるが18年12月、インドネシア中部のジャワ島とスマトラ島の間の海峡で津波が発生し、大勢の犠牲者・行方不明者を出した。津波の原因は約50キロ離れた火山が噴火し、山体崩壊による土砂が一気に海に流れ落ちて海水を上下動させたとされる。地震と津波は結び付くが、火山の噴火と津波のつながりはなかなか想像できない。

 防衛大学校などは、地滑りは繰り返す上、地震が小規模でも起こり得ると指摘している。日本海には断層のひずみが集中している「日本海東縁断層帯」がある。特に庄内沖にはいずれ地震が起きると想定されている「地震空白域」があり、山形県も発生した場合の庄内沿岸地域の津波到達時間や波高を示すハザードマップを作って注意を呼び掛けている。

◇      ◇

 日本海では過去60年ほどの間に「男鹿半島沖地震(M6・9)」「新潟地震(M7・5)」「日本海中部地震(M7・7)」「新潟県中越沖地震(M6・8)」「北海道南西沖地震(M7・8)」など、5?7月にかけて大きな地震が発生し、津波による大勢の犠牲者を出している。猛スピードで押し寄せて来る津波の怖さだ。

 庄内沿岸の地域では津波を想定した避難訓練も行われている。酒田市山居町では自治会が幅約1・2メートルの用水路に独自で木製の仮の橋を架け、避難行動時間の短縮を図った。ハザードマップを読み解きながら、よりスムーズな避難行動ができる方法はないかと工夫を凝らす。そんな積み重ねが命を守ることにつながる。

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