2023年(令和5年) 6月14日(水)付紙面より
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起業家の「しくじり」からリアルな現状を感じてもらうことで、「自分でもできるのでは」と思ってもらうためのセミナーが9日夜、酒田市産業振興まちづくりセンター「サンロク」で行われ、ユニークな「しくじり」を体験した2人が講師として登壇。オンラインを含め約130人が興味深げに聴き入った。
起業を考えている人、一度は起業したものの挫折した人らを対象に、ロールモデルとなる人たちから失敗談を聞くことで、今後の生き方の参考にしてもらおうと、ウェブ広告、新規事業開発、人材育成コンサルなど手掛ける「SEAFOLKS」(東京、三宅裕介社長)が企画したセミナー。
この日、登壇したのは市内でプロジェクションマッピングなどデジタル技術を活用したサービスを展開する「ADDWILL」(上安町二丁目)の武田悠社長(26)と、空き家を使ったコミュニケーションサービスの提供に携わっている「最上のくらし舎」代表で新庄市在住の吉野優美さん(35)の2人。
このうち23歳で起業した武田さんの「しくじり」は「トライアンドエラーを得意としてきたため、常に何とかなると思い込んできた」ことから安請け合いで仕事を受注してしまったこと。「市八幡総合支所から『玉簾の滝プロジェクションマッピング』を受注した際、相場や必要機材などを調べることなく受けたため、トラブル続き。いろんな人から助けてもらい何とか実施し、地元の皆さんから感謝の言葉を掛けられ、涙が止まらなかった」と。そして「スタート時に無知なのは決して悪ではない。交流会などに積極的に参加し、そのつながりを生かして」とアドバイスした。
セミナーの後、登壇した2人に多くの質問が飛び、「自問自答を繰り返して初心を忘れないように」「起業を高いハードルと思わないでほしい」などの答えに起業を考えている参加者たちは熱心に耳を傾けていた。