2023年(令和5年) 6月15日(木)付紙面より
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世界的なギター奏者で、現在は庄内町に移住している福田進一さん(67)が、自身のCDジャケットをアレンジしたアートポスターを、友人でイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行さん(53)=鶴岡市=にプレゼントした。この“友情の証し”のポスターは同店内に飾られ、来店者の目を楽しませている。
福田さんと奥田さんは2005年8月に庄内町の響ホールで行われた「庄内国際ギターフェスティバルin響」のレセプションで知り合った。この時に奥田さんが福田さんの師であるイタリアのギタリスト、オスカー・ギリアさんとも親交を持ったことや、福田さん自身が料理好きであることから意気投合、翌年6月に発売された福田さんのアルバム「ロッシニアーナ」のジャケットデザインに協力を依頼。奥田さんは食材を庄内から持参して東京で撮影。福田さん所有のギターケースの中にトマトやアスパラガス、洋ナシをはじめアーティチョークやラディッキオ・トレビスなどのイタリア野菜、果てはカモまで詰めた。奥田さんは「イタリアの作曲家ロッシーニの楽曲を集めたアルバムということで、美食家であり『牛フィレ肉のロッシーニ風』などの料理を生み出した作曲家を表現すべく、CDのブックレット用にいろいろな料理を作りました」と当時を振り返った。
贈呈は、アル・ケッチァーノ本店で不定期に開催している在来野菜のアカデミー講座に福田さんが参加した4月下旬に同店で行われた。贈られたオリジナルのポスターは約50センチの正方形で、アルバムに使われた画像に、同店のロゴと奥田さんの名前がデザインされており、福田さんの妻でデザイナーの華恵(かえ)さんが作成した。
福田さん夫妻は「ディナーで伺った際に、壁に何か絵画のようなものが飾ってあるといいと思った。ジャケットをモチーフにしたものなら、2005年にお世話になったお礼にもなるのでは」と思い、プレゼントすることにしたという。
「撮影に使うズッキーニの花を、あやうく華恵さんに捨てられそうになった」と思い出して笑顔を見せる奥田さんは、「これは福田さんとコラボした“作品”であり、とてもありがたい贈り物。多くのお客さんに見ていただきたい」と話していた。
福田さんは7月29日(土)に響ホールで行われる「DUO×DUO ギターデュオの世界」に出演し、荘村清志さんら日本のトップギタリストと共に演奏する。