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2023年(令和5年) 6月15日(木)付紙面より

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「砂丘小麦」栽培に挑戦 鶴岡市茨新田 佐藤公一さん 県内初 今月下旬に初収穫

 アンデスメロンやカラフル野菜を手掛けている鶴岡市茨新田のワッツ・ワッツ・ファーム代表、佐藤公一さん(49)が「砂丘小麦」の栽培に挑戦している。県内では初めて。文字通り砂地で小麦の品種「ゆきちから」を育てているもので、今月下旬に初収穫を迎える。佐藤さんは「出来栄えは75点ぐらい。先輩農家の支援を受けてここまで来た。感謝と同時に今後も一緒になって『庄内産小麦』の地産地消を進めていきたい」と話している。

 山形大学農学部の「スマートテロワール」の取り組みに参画し、庄内産小麦を栽培している叶野幸喜さん(43)=鶴岡市東堀越=と石井光明さん(44)=同市添川=の協力を得て始めた。栽培方法を学び昨年10月初めに県道沿いにある佐藤さん所有の砂農地(広さ約1ヘクタール)に「ゆきちから」の種をまき一冬越して春に芽吹いた。背丈は約50センチに成長。あと2週間ほどで収穫できるまでになった。小麦の砂丘栽培は全国的にも珍しい。水はけのよい土壌を好む小麦に適していることに着目。以前、長ネギを作っていた農地で試みた。

 佐藤さんは「正直、いま思えば種をまく前の段階からやり直したい気持ち。窒素の量や肥料と堆肥のバランスをもっと調整する必要があった」と反省点を挙げる。それでも麦は黄金色に色づき今年は400キロ近い収量を見込む。

 アドバイスした叶野さんは「砂地栽培は水はけがいい反面、肥料を多めに使わなければならないが、1年目にしては上出来だと思う」。石井さんは「新しい仲間が出来てうれしい。これからも公一さんをバックアップしていきたい」と笑顔を見せる。

 当面は1年目の課題をクリア、連作障害を避けるため2年続けて育て、1年休ませることを視野に入れる。収穫した小麦は東根市の小川製粉に出して製粉し庄内を中心としたラーメン店などの麺に使われる。

 酒田市の「めん工房さらしな」の店主で酒田市麺類食堂組合の石垣洋平組合長(54)は「庄内産ゆきちからを使った麺は風味がいい。流通経路が身近でフレッシュに製麺できる」。酒田、鶴岡、山形市に店を構える「花鳥風月」の佐藤勇太代表(40)は「頑張っている生産者と共に私たち飲食店も団結し、庄内産小麦を地域に根付かせたい」と話す。今年9月中旬には酒田市役所駐車場で予定する「酒田のラーメンエキスポ」で庄内産小麦を使った麺をアピールする。

 佐藤さんは「叶野さんや石井さんが快く教えてくれるし、機械も貸してもらっている。2人に出会っていなければ(砂地栽培に)取り組むことはなかったと思う。試行錯誤を繰り返しながら頑張りたい」と語った。

砂地で庄内産小麦の栽培にチャレンジする佐藤さん
砂地で庄内産小麦の栽培にチャレンジする佐藤さん



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