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2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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土砂災害が心配な時期になった

 鶴岡市西目で、昨年の大みそかに起きた土砂崩れ災害から半年になる。高齢夫婦が逃げる間もなく土砂にのみ込まれて犠牲になった現場では、災害防止対策の工事が行われているが、今も4世帯12人が市営住宅などで避難生活をしていて、早く元の生活に戻りたいと願い、避難指示の解除を待っている。

 西目の災害を受け、県は県内の土砂災害警戒区域のうち、災害が生じる恐れのある671地点の点検結果を公表した。直ちに住民避難が必要な場所はなかった、鶴岡市の大山公園では対策が必要とされ、立ち木伐採、土砂入れ替え措置が取られた。庄内には土砂災害警戒区域が多い。自分が住んでいる地域の地形などに関心を持ちたい。

◇      ◇

 西目の土砂崩れは未明の発生。行方不明になった夫婦は土砂の中から発見され、死亡が確認された。土砂崩れについて、調査した専門家は、山地の風化が進んで地質が崩れやすくなっていて、雨や雪解けが重なったことで発生したとみている。被災した住民らからは「まさかこの場所で」「今まで災害が起きたことがない」などの声が聞かれたことは、災害はいつどこで発生するか分からず、しかも突然襲ってくる可能性があることを物語った。

 県内には土砂災害警戒区域が5176カ所あり、うち庄内は約30%の1585カ所。ところが県が実施した調査地点671カ所のうち庄内は324カ所で48%を占める多さだ。調査で1カ所だけ「要対策」とされた大山公園では長さ30センチほどの亀裂が見つかり、浸水を防ぐブルーシートを張り、斜面の立ち木の伐採、緩んだ土砂を良質な土砂と入れ替える措置を講じた。

 西目の土砂災害での堆積土砂は約1万7000立方メートル、倒壊家屋17棟のがれきは約2・7トン、市道復旧などを含めると総額で約5億2000万円の復旧費用が見込まれる。ひとたび自然災害が発生すると、想像を超える費用がかかる現実も突き付けられた。自然の破壊力のすごさである。

◇      ◇

 先ごろ、復旧予定などについての住民説明会があった。県などは8月から崩落した土砂の撤去を始める見通しを示し、住民からは遠回りで不便をかこっている道路の通行止め解除、避難指示の解除などを含め「いつになったら元の生活に戻れるか」に関心が集まったという。

 庄内は比較的自然災害が少ない地域といわれてきた。しかし近年は地球温暖化による気候変動で、降雨場所も降雨量も予期せぬ事態が全国各地で起こっている。県内の土砂災害環境は県のホームページ「土砂災害警戒システム」や、そこから国土交通省の「重ねるハザードマップ」へも進むことで、身近な地域の状況を知ることができる。市町発行のハザードマップと併せ、自分が住む地域の状況を日頃から知っておき、身を守ることに気を配りたい。

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