2023年(令和5年) 7月1日(土)付紙面より
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庄内町立谷沢の月の沢温泉北月山荘の食堂が7月6日(木)にフレンチ食堂「モン・ヴィペール」としてリニューアルオープンする。フレンチシェフの経歴を持つ同町の地域おこし協力隊員・富樫一仁さん(41)が調理を担当。28日には試食会が北月山荘で開かれ、関係者が地元食材にこだわったフレンチを味わった。
北月山荘の食堂は前任業者が今年3月末まで営業していたが、後任の業者が決まらず、4月から営業を中止。施設は宿泊と入浴のみの営業を続けていた。
今年2月、同町の地域おこし協力隊として着任した冨樫さんは鶴岡市鼠ケ関出身。大学卒業後に新潟市内でフランス料理のシェフとして勤務した経験を持つ。北月山荘を拠点に立谷沢地区の観光と誘客を行う地域おこし協力隊としてのミッションと、富樫さんの庄内町の食材への理解を深めたいという思いが合致し、食堂のリニューアルオープンが決まった。
店名のモンは山、ヴィペールは地元で珍重されるマムシの意。富樫さんが厨房を切り盛りし、富樫さんの妻で、新潟市でメニュー企画など食品関連会社「ルシェーヌ」代表を務める智夏さん(40)が経営を担う。当面は宿泊の客をメインに夕食のフレンチ(前菜、魚料理、肉料理、デザートなど)と朝食の和食(ご飯、みそ汁、サラダ、副菜など)を提供する。
この日の試食会には富樫透町長や地元町会議員ら関係者12人が参加。富樫さん夫妻の手による庄内町産の卵や肉、魚、野菜、米粉、果物をふんだんに使った「ガッサーモンのタルタル」「雪若丸のトルティーヤ」「庄内豚のローストと赤ワイン煮」「クレームブリュレ」の4品を試食。参加者は「普段使い慣れた食材がこんな形になるとは」と話しながら舌鼓を打っていた。富樫さんは「料理をすることを主目的に地域おこし協力隊に応募したわけではないが、料理人としてここで料理を作る機会をもらった。庄内町産100%を目指したい。地域の外から来た人は庄内産のものを食べたいと思うので、地元のおいしい食材をPRしていければ」と話していた。
北月山荘は金、土、日、祝前日に11月末まで営業。1泊2食付きでいずれも税込み大人1万円、子ども8200円。問い合わせなどは北月山荘=電0234(59)2137=へ。