2023年(令和5年) 7月2日(日)付紙面より
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海岸沿いの丘陵に森を育てて良好な海の環境につなげる「魚の森づくり活動」が1日、鶴岡市油戸の「魚の森」で行われた。参加した小学生らがカシワなどの苗木を植えるとともに、海にヒラメの稚魚を放流して森・川・海の連環を学んだ。
油戸漁港南側の丘陵地にある魚の森は、広さ約1・6ヘクタール。県の「魚の森づくり」モデル事業の助成を受け、1997年度から3年かけて整備された。鶴岡市の呼び掛けで、地元の住民や漁業者らがこれまでにクロマツやカシワ、アキグミ、ネムノキなど約3100本の苗木を植樹し、ボランティアで下刈りなどの森づくり活動を続けている。
この日の活動には鶴岡緑の少年団のメンバーや加茂水産高生徒、一般ボランティアを含め約100人が参加。ロープを張って8枚の大漁旗を飾った魚の森で、手分けして下刈りやつる切り、カシワとアキグミの苗40本の植樹に汗を流した。
約1時間の作業に引き続き、魚の森の沢を経て水が流れ込む油戸海岸の砂浜に移動して、同市三瀬にある県栽培漁業センターで生産されたふ化後約60日で体長4センチほどに成長したヒラメの稚魚約1500匹を放流。森と川と海の連環を体験的に学んだ。
今春に鶴岡緑の少年団に入団し、初めて参加した同市内の小学4年生、菅原紅香(べにか)さん(9)は「植えた苗木が元気に育って、自然豊かな森になってほしい」と話していた。魚の森づくり活動は5月28日に同市の堅苔沢地区で行われ、今月4日には鼠ケ関地区でも予定されている。