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2023年(令和5年) 7月5日(水)付紙面より

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高卒者の地元定着を願う雑感

 人が減っている現実と、その事が経済活動に与える影響も大きいことを突き付けられているようである。来年春卒業する高校生の就職活動が今月から始まった。山形労働局によれば県内の高校を卒業する就職希望者は1815人。2002年度の統計開始以来初めて2000人を割った。地元企業にとって厳しい採用状況になりそうだが、新卒者にはより多く地元に残ってもらいたい。

 アフターコロナで経済活動も元に戻りつつあり、企業の求人意欲も高まっている見通しだ。高卒就職希望者の地元志向も高まっているが、求職者の絶対数が少なければ、企業にとって人手不足感は否めない。少子化が、就職環境にさまざまな影響として表れている。

     ◇       ◇

 山形労働局の5月15日時点でのまとめでは、来春の県内の高校卒業予定者は8713人(前年比591人減)、うち就職希望者は1815人(同269人減)。就職希望者の80・7%、1465人(同228人減)が県内企業を希望している。人数は減っているというものの、地元志向の高まりは好ましい傾向であろう。希望職種(全県)は▽生産工程の職業▽専門的・技術的職業▽サービスの職業▽事務的職業▽販売の職業―などが上位を占めている。

 それにしてもの生徒数の減りようである。卒業者数とは別の数字だが、第2次ベビーブーム世代の受験期の1987年、全県の公立全日制と定時制合わせた募集定員は1万3420人、今より1・5倍も多かった。その一方、当時はまだ「地方は大都市圏への労働力供給地」などと言われ、県外就職者も多かった。

 毎月、県の人口動態が発表される。6月1日時点で県全体で前月比955人が減った。このうち庄内5市町は合わせて318人(前月比39人減)も減り、県全体の33%を占める。進学率の上昇で、来春の卒業予定者の73・1%が進学を希望しているが、県内進学率は3割弱とみられている。例年、4?5月に進学による転出も、人口減少に影響しているのではないだろうか。

     ◇       ◇

 厚生労働省によれば今年3月末の首都圏の求人倍率は88年以降で最高になった。少子化と進学率の高まりが求人倍率に影響している。大都市圏の企業の賃金は良いだろうが、賃金に負けない暮らし良さが地方にはあるはずだ。鶴岡市の高校生が「鶴岡を住みたい街ナンバーワンにする」学習に取り組んだこともある。

 将来が懸かっている就職や進学は人生の一大転換期。今まで学んだ知識や技術を生かせる進路を選ぶため慎重にならねばならない。地元にも自分を生かせる企業は多い。1社だけを見て決めるのでなく、さまざまな仕事への理解を深め、進路指導の教諭と相談しながら決めてもらいたい。将来、地元を支える力になるために。

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