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2023年(令和5年) 7月12日(水)付紙面より

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海の日に環境保全を考えたい

 17日は「海の日」。庄内では13日の酒田市飛島をトップに、22日までに11海水浴場で海開きが行われる予定だ。新型コロナウイルス感染症対策も少し緩和されたことで、観光客の動きの活発化も予想されている。各海水浴場もコロナ禍以前のようなにぎわいが戻ってくれることに期待を寄せている。

 一方、気掛かりなことがある。今年は11海水浴場のうち、水質が良好な「適」が4カ所、遊泳可能な「可」が7カ所と、昨年の「適」7、「可」4から後退した。2019年は浜中あさり(20年閉鎖)を含め「適」10、「可」2だったのに比べても適が大幅に減った。庄内の海の「きれい」というイメージがやや揺らいでいるのだろうか。

◇      ◇

 海の水質である。環境省が今年調査した全国777カ所の海水浴場中「適」は615カ所(79%)、「可」は162カ所(21%)。庄内の「適」36%、「可」64%は全国平均と比べて芳しくない。県の検査ではふん便性大腸菌群数は2海水浴場で検出されたが許容数内、大腸菌O157、油膜はどこも検出されていない。水質判定基準に従ってのことだが、判定のランクが下がった原因はどこにあるのだろうか。

 気象庁の調べで、日本近海での平均海面水温が過去100年で1・24度上昇しているという。特に日本海は1・87度と最も高い。その影響を受けているとみられる「異変」が起きている。本来暖かい海を好むサワラが庄内沖でも多く水揚げされるなど、全国各地で漁獲される魚種が変化している。こうした海水温の変化が水質に影響していることはないだろうか。

 庄内にとって海は貴重な資源。6月から7月にかけて「山と海を育てる」活動が行われた。鶴岡市羽黒小学校の児童が「田代谷地ため池」近くにブナの幼木を植栽した。23年前から続く活動で植栽数は1000本になった。同市油戸の「魚の森」では、鶴岡緑の少年団、加茂水産高校の生徒らがカシワなどの苗木を植えた。同市堅苔沢、鼠ケ関でも魚の森づくりの植樹をした。

◇      ◇

 「森は海の恋人」で、森でつくられた腐葉土に含まれる栄養素が海に入り、海藻や小魚を育て、生態系維持につながる。森があってこそ豊かな海になると言える。だが森づくりの活動の積み重ねが海の水質改善につながってほしいと願っても、海に流れ出るごみが一向に減らないのも現実だ。

 7月は県民河川愛護デー、そして9月は海岸愛護デー。河川を清掃し、海岸でのごみ拾いで水辺の環境保全を目指す県の運動は47年目を迎えた。活動の目的と精神は定着してきているはずなのに、それ以上に水辺環境を悪化させる原因が潜んでいる。7月と8月、小学生が海に親しみながら海洋ごみ問題などを学ぶ「やまがた海洋塾」が開かれる。海の日に、海の環境を守ることの大切さを考えたい。

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