2023年(令和5年) 7月18日(火)付紙面より
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鳥海山の山頂と7合目の御浜、遊佐町吹浦の西浜海岸、酒田市の宮海と飛島で一斉に火をたき、火の見え具合で農産物の作況を占う「御浜出(おはまいで)神事」が14日夜、厳かに行われた。
同町の鳥海山大物忌神社(高橋廣晃宮司)が祭る2柱の祭神のうち、月山大神の例祭(7月15日)の宵祭り神事。古くから伝わり、「火合わせ」と呼ばれ親しまれている。
この日、山頂と御浜では強風が吹いて大雨が降り続き、野外での神事は中止を余儀なくされた。一方、同町吹浦ではみこし行列が同神社吹浦口宮を出発する午後7時ごろにはほとんど雨がやみ、家紋入りのちょうちんを軒先に下げて出迎える沿道をゆっくりと進んだ。
夕闇が迫る中、神事のために清めた吹浦漁港そばの一角に行列が着くと、近くに積まれたまきに火が入った。神火が燃え上がると宮司が祝詞を奏上。御頭舞(獅子舞)、巫女(みこ)舞が奉納され、地元関係者らが玉串をささげて五穀豊穣(ほうじょう)や海上安全などを祈願していた。