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2023年(令和5年) 7月19日(水)付紙面より

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新商業施設を酒田活性化の核に

 酒田商業高跡地(酒田市有地)に民間資金で商業・観光施設を整備する事業が、資材費高騰の影響で建設規模を当初計画から縮小、JA庄内みどりもテナントの出店を見送ることになった。工事は今年12月に着工、予定通り2025年3月の完成を目指す。

 大型事業では資材費や人件費高騰で計画が見直されることがある。酒田市民会館・希望ホールや鶴岡市文化会館・荘銀タクト鶴岡も同様だった。2年後に予定されている大阪・関西万博も人材不足と資材高騰で計画が遅れているという。酒田市の新商業施設の計画見直しは残念としても、山居倉庫などの周辺施設と呼応しながら市の活力発信の場になることは確かであろうし、期待を寄せたい。

◇      ◇

 計画が変更された新商業施設は、約2万平方メートルの敷地に、ともに平屋建ての日用雑貨とフードコート、物産館が入るA棟(約4000平方メートル)と、スーパーマーケットのB棟(約2800平方メートル)の2棟を建設、約300台分の駐車場を確保する。当初は2階建て延べ床面積約7900平方メートルの建物を予定していた。また、JA庄内みどりは山居倉庫に隣接している産直「みどりの里山居館」の移転を予定したが、テナント料で合意できなかった。

 山居倉庫は酒田市の象徴となる観光施設。倉庫前を流れる新井田川に架かる歩行者専用の山居橋を渡れば、酒田町奉行所跡、豪商の本間家旧本邸、北国一の回船問屋と称された旧鐙屋などが徒歩圏内にある。商業高跡地の再開発で新しい物産館などができれば、相乗効果を高めることになる。

 山居倉庫の道路向かいの旧消防本署跡地に、移住とまちづくりを目指す地域交流拠点形成事業「TOCHiTO(とちと)」ができた。「TOCHiTO」には「居住棟」と「交流棟」があり、移住者がここを拠点に地域を学び、市民と交流する場所との意味がある。移住者の入居もほぼ完了し、交流棟は事業者がサテライトオフィスに、移住者がリモートワークに利用できる。開かれたスペースの活用拡大は、地域振興のプラスになる。

◇      ◇

 山居倉庫とTOCHiTOに隣接して新しい商業施設が加わり、「観光と商業と移住」の「トライアングル(三角形)」が誕生する。これらの施設を起点にした人の流れが生まれるに違いない。人が減り、中心商店街の空洞化も進んでいるだけに、活力を呼び戻す起爆剤になってもらいたい。

 新商業施設には、北前船交易と米の集散地だった往時の繁栄を取り戻したいとの構想が込められる。山居橋を渡って少し足を延ばせば、山王くらぶ、舞娘茶屋相馬樓など港町文化に触れることもできる。無料の観光用自転車に乗って2?3時間の観光コースもある。山居倉庫と相乗性を持たせ、新商業施設を大いに活用したい。

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