2023年(令和5年) 7月20日(木)付紙面より
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任期満了に伴う酒田市長選は、8月20日の告示(同27日投開票)まで1カ月となった。これまでに立候補を表明しているのは、今年5月末まで東北公益文科大学教授を務めた前副市長の矢口明子氏(59)=中町三丁目=のみ。一部に「無投票当選阻止」に向けた動きこそあるが流動的。現職と元職の一騎打ちとなり、激戦で市、市議会を二分した前回(2019年8月)から一転、無投票の公算が大きくなっている。
無投票となれば初めて
現職の丸山至市長(69)=光ケ丘一丁目、2期目=は昨年来、進退について明言を避けてきたが、今年5月13日に開催した後援会役員会で不出馬の意向を支持者に伝え、同30日の定例会見で「自らの年齢・体調を考え、次の4年間、市長としての職務・責務をこなすのは厳しいと判断した。今の任期で退任したい」と正式に表明した。
矢口氏は6月1日に市内で会見を開き、「市内の経済界や女性から立候補してほしいという声をもらった。一緒に酒田の街づくりができたら幸せと思って決意した」と無所属での出馬を表明。会見には前回市長選で袂(たもと)を分かった市議会最大会派の保守系「新政会」に所属する高橋千代夫議長、保守系「志友会」会長を務める後藤仁議員が同席。「オール保守」による擁立を広くアピールした。
今月9日に行われた後援会設立総会で、後援会長に佐藤顕酒田地区医師連盟委員長(59)=酒田地区医師会十全堂会長=が就任。冒頭、あいさつに立った矢口氏は、「豊かに安心して暮らせるまちを創(つく)るための3つの原則」として▽若者の仕事▽「誰もが主役」のまちづくり▽市民目線の行政―の3つを強調し、「酒田を良くしたいという思いは皆さんと同じ。喫緊の課題は人口減少のスピードを抑えること。重いプレッシャーを感じるが、皆さんと力を合わせて安心して暮らせる街にしたい」と述べた。今月23日(日)には事務所開きと決起大会の開催を予定している。「昭和の大合併」で旧酒田市が誕生したのが1954(昭和29)年。翌55年4月を皮切りにこれまで市長選は18回(『平成の大合併』以降は5回)行われたが、無投票はない。無投票当選となれば初めて。