2023年(令和5年) 7月23日(日)付紙面より
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土門拳記念館入り口で、中尊寺(岩手県平泉町)から移植した「中尊寺ハス」が咲き、淡い桃色の花が来館者の目を楽しませている。
記念館によると、中尊寺ハスの種子は中尊寺金色堂内に安置されている奥州藤原氏第4代・泰衡(やすひら)の「首おけ」から発見され、発芽試験の末1998年に約800年ぶりに中尊寺で花を咲かせたという。
同氏第3代・秀衡(ひでひら)の妹とも、側室ともいわれる「徳の前(徳尼公)」が、藤原氏滅亡に際し遺臣36人と共に落ち延び、その子孫が「酒田三十六人衆」となり酒田発展の礎を築いたという伝説と、世界的写真家で酒田市名誉市民の故土門拳さんが同寺で数多くの作品を撮影していた縁から、2012年に中尊寺ハスの株分けが実現した。
ハスは記念館入り口脇に置かれた鉢植えに植えられ、今年は例年より多く14輪のつぼみが確認されている。記念館によると、朝花を広げ、午後には閉じるという。8月上旬まで楽しめる。