2023年(令和5年) 7月25日(火)付紙面より
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遊佐町地域おこし協力隊の渡辺真央さん(29)が講師を務め、昨年10月から町内各所で開いている「スマホ道場」が好評を博している。受講生は延べ約500人に達した。
渡辺さんは東京で昨春まで、都市計画コンサルタントとして働いていた。自然に近いところに移住したいと常々思っていて、「海と山がある」ことが決め手になり同町協力隊員に応募。着任後は、デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進支援業務を担っている。
スマホ道場もその一環。町生涯学習センターと町内5地区のまちづくりセンターを会場に水、木曜日にほぼ毎週、開いている。受講生は70代が中心で、これまでの最高齢は95歳の女性。対面を基本とし「教え方が丁寧」「分かりやすい」と評価され、リピーターも多いという。
20日は吹浦まちづくりセンターで開いた。訪れたスマホ歴3年という70代女性の「よく『ごみ箱がいっぱいです』と表示が出る。どう対応すればいいか」との質問に、渡辺さんは「ほとんどの場合、無視して大丈夫。タップすると広告サイトなどに飛ぶ」と教授。無料の天気予報アプリの入れ方なども実際にスマホを操作しながら教え、女性は「不安が解消した。気軽に相談できて、ありがたい」と感謝した。
渡辺さんは、受講生が家に帰ってからも学べるように作ったオリジナルの説明書を手渡している。「スマホは『操作が分からない』が『怖い』につながり、前に進めなくなる」と分析。毎日使い慣れるのが一番」とアドバイスした。