2023年(令和5年) 7月30日(日)付紙面より
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鶴岡市に2024年4月に開校する県立致道館中学校の学校説明会が29日午前、同校の校舎となる県立鶴岡北高校で始まった。致道館中学の第1期生となる小学6年生と保護者を対象にした説明会で30日にかけて開かれる。実際に中学受験する児童を対象とした説明は初めて。来春開校の同中学での教育の特色などについて致道館中学・高校開校準備室の担当者が説明した。99人を定員とする初の致道館中学の入試は約5カ月後の来年1月6日(土)に行われる。
同市の鶴岡南と鶴岡北の両県立高校を統合し、新設の県立中学校を併設して来春、中高一貫の致道館中学・高校が開校する。鶴岡南が致道館高校の校舎となる。県立の中高一貫校は東根市に16年4月に開校した東桜学館中学・高校以来、県内2校目となる。
致道館中学の説明会は29日の午前と午後、30日午前の3回に分けて実施。庄内地域をはじめ内陸地方や県外の児童と保護者合わせて200組超、400人程度の参加申し込みがあった。このうち29日午前の1回目には約130人の児童・保護者が参加した。
開校準備室からは授業時間は高校と同じ55分で毎日6校時あることや、教科ごとに専用の教室で授業を受けること、数学と英語の時間数が標準より多く、特に数学はそれぞれの学習速度で学びを深める「自由進度学習」を取り入れたり、高校の学習内容を先取りした教育課程となることなどが説明された。部活動は週3日程度とし、土日曜は行わない。平日の残り2日は、教員による学習カウンセリングなどを予定している。
中学の授業料は無料となるが、給食費やテキスト代、研修旅行の積み立てなど諸経費は東桜学館中学と同程度の年間24万円ほどを見込み、「市町村立中学より少し高め」と説明した。質疑応答で保護者からは、特色としている探究学習やグローバル教育の具体的な内容、他の中学との部活動の連携、配置される教員数などについて質問があった。後半の保護者のみ対象の説明の間、児童たちは校舎見学をした。
参加した鶴岡市の女子児童は「みんなと同じ中学校に行きたい気持ちもあるし、受験して新しい中学校に入学したい気持ちもある」、母親は「“だめもと”で受験させてみます」と話した。姉が鶴岡南高1年という同市の男子児童は「5年生のときから塾に通っている。合格してお姉ちゃんと同じ中学・高校の生徒になりたい。自分の小学校は受験する友達が多くいる」と話した。致道館中学の入学者選抜説明会は9月16、17日、願書受け付けは11月27日―12月1日に、いずれも鶴岡北高で行われる。