2023年(令和5年) 8月3日(木)付紙面より
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鶴岡市にある県立の鶴岡南、鶴岡北両校を統合して2024年4月に開校する「県立致道館高校」の学校説明会が1日、同市の荘銀タクト鶴岡で開かれた。定員は280人(普通科200人、理数科80人)。説明会には庄内地域をはじめ内陸地方の中学3年生と保護者約400組、計約760人が訪れ、伝統校の統合による致道館高校への生徒自身と保護者の関心の高さが表れた。
致道館中学・高校開校準備室の両校教員が、致道館高校の教育の特色や部活動、入試などについて説明。教育については「単に鶴南と鶴北の教育を引き継ぐのではなく、それぞれの良いところを生かし、これからの時代を見据えた新たな進学校としてスタートする」と説明し、新高校としての開校を強調した。
県内の公立高校と同時に行われる入試(一般選抜)は、普通科と理数科を別々に募集。理数科を第1志望とする場合のみ普通科を第2志望として出願できる。
この点について開校準備室は「理数科には小中学時代から理数系が好きで生命科学・生命工学系の大学への進学希望を持つ人、自然科学系の研究者、医師や薬剤師などを目指す人から来てもらいたい」と説明し、「第2志望までチャンスが2度あるからと、安易な選択に走らないでほしい。入学後の学科変更はできない」と理数科受験の際への注意を促した。普通科については1年次の6月に文系・理系のいずれかのコースを選択してもらう。文系の選択科目には芸術やスポーツ関連など多岐にわたる科目があり、就職を含め多様な進路希望に対応する。
両校生徒による学校紹介では、特色の一つでもある探究活動「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」の研究成果発表、アーチェリー部、音楽部の部活動紹介も行われた。
母親と一緒に参加した中学3年の鶴岡市内の女子生徒(15)は「中学1年から塾に通っている。大学に進学して自分の可能性を広げたいと思っているので、致道館高校に入りたい」と話した。ただ、現在の鶴岡南5クラス・鶴岡北3クラスの計8クラスが、致道館高校は7クラスと定員が1クラス40人分削減されることもあり、「入試の倍率が高くなりそう」と不安げな表情も見せていた。