2023年(令和5年) 8月8日(火)付紙面より
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鶴岡食文化創造都市推進協議会(会長・皆川治市長)主催の笹巻づくり担い手講座が4、5日の2日間、鶴岡市下名川の産直あさひ・グーで行われた。参加者がササの収穫やもち米の下準備など一連の工程を体験し、鶴岡伝統の笹巻づくりを学んだ。
生産者の高齢化で担い手不足が進む中、伝統菓子の継承や生産者の育成などを目的に初めて開催した。産直あさひ・グー理事の伊藤ます子さん(74)を講師に、鶴岡の食文化を発信している「鶴岡ふうどガイド」や飲食店経営者など市内の20―40代の8人が参加した。
初日は、近くの山で長さ30センチ、幅10センチほどの葉を収穫。もち米をあくに浸すなどの下準備を行った。2日目は2枚の葉でもち米を包み三角巻きに。1時間ほどゆで、黄色になった笹巻を黒蜜やきな粉で味わった。
同市湯温海で飲食店を営む佐藤芳彦さん(43)は「包むのが難しかったが、ササの収穫から体験できて良かった。今後、店での提供も考えていきたい」と話した。
同市の笹巻は、あくに浸したもち米を使うことで独特な風味のある黄色いゼリー状に仕上がるのが特徴。同市には江戸時代に伝わったとされ、今年3月に文化庁の「100年フード」に認定された。