2023年(令和5年) 8月9日(水)付紙面より
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鶴岡市立荘内病院(鈴木聡院長)で8日、高校生から模擬医療体験を通して地域医療の役割などを知ってもらう「オープンホスピタル」が行われた。高校生たちが聴診器を耳にして生体人形の心音や呼吸音を聴診したり、静脈注射を体験したりと実際の医療器具や技術に触れた。
将来の医師や薬剤師の確保に向け、医療の道を志す高校生から地域における中核病院の役割を知ってもらい、進路選択の一助としてもらうとともに、荘内病院で働く多職種への理解促進を図るもの。2011年に初めて開催し、コロナ禍での中止を挟み今回で11回目となった。
今回は鶴岡南、羽黒の両校から1、2年生計10人が参加。開会式の後、4グループに分かれて「気管内挿管」「心音・呼吸音の聴診」「静脈注射模擬穿刺(せんし)」「超音波診断」の各診断処置を体験した。
このうち生体人形を用いた心音・呼吸音の聴診では、同病院の医師や研修医の指導で高校生たちが聴診器を使用。医師から「患者の胸部や腹部に当てる丸い部分(チェストピース)は、平らな方で肺や胃など内臓を聴診する。くぼんでいるベル面は心音の聴診に使われる」と説明を受け、生体人形の疑似的な心音や呼吸音、内臓の動く音などを聴いた。
薬剤師を目指している鶴岡南高1年の齋藤優さん(16)は「超音波診断を体験して心臓や肝臓、胃などを探査してみたが、どこにどんな内臓があるのか探すのが大変。難しいけどやりがいのある仕事と思う」と話していた。
その後、高校生たちは医師志望と薬剤師志望に分かれ、消化器内視鏡検査や注射薬調製などを体験。手術センターやヘリポートを見学した後、午後からは手術の模擬体験や模擬患者の面談・服薬指導の見学などを行った。