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2023年(令和5年) 8月10日(木)付紙面より

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日本人の精神性の源流 映画「山女」 福永監督が舞台あいさつ

 庄内でロケが行われた映画「山女」の福永壮志(たけし)監督が5日、鶴岡市の鶴岡まちなかキネマでの公開初日に合わせて舞台あいさつを行った。

 福永監督は、民族やルーツにフォーカスを当てた作品で国際的な映画賞を受賞し、世界を舞台に活躍。長編3作目となる今作では海外スタッフと共同製作。柳田國男の「遠野物語」から着想を得て、18世紀後半の東北の寒村を舞台に、人々からさげすまれながらも自分の意思で生き方を決める少女の姿を描いた。出演は山田杏奈、森山未來、永瀬正敏ほか。6月30日から全国各地で順次公開している。

 岩手県の早池峰山の実景以外は山形県で撮影。ロケは2021年9月から約1カ月間、鶴岡市羽黒町川代のスタジオセディック庄内オープンセットや戸沢村の幻想の森、高畠町の火箱岩洞窟などで行った。

 作品上映後に登壇した福永監督は、作品のテーマについて「これまで描いた文化や昔の人の知恵などから派生して、『遠野物語』を読み、日本人の精神性の源流に興味を持った。村の在り方や自然との付き合い方など、現代社会にも通じる問題も扱った。自然に対する畏怖など人間の力の及ばないものへの日本独特の考え方など、作品にして後世に残す意義があると思った」と話し、それは長年、アメリカでの生活で受けた日本人への差別体験も影響しているとした。

 また、俳優については「山田さんは、せりふに頼らずに瞳の奥の輝きで演じられる。つらいシーンでもこの子なら大丈夫という、観客の希望になれると思った。演技も、投げたもの以上のものを返してくれた。山男を演じた森山さんは休憩中に木に寄りかかって眠る姿が絵になっていて、そのシーンを追加して撮影した」と振り返った。

 上映会では地元から参加したエキストラの人たちも鑑賞。村人役で出演した酒田市の岡部広樹さんは「台本もいただいたので結末も分かっていたが、通して観ると感動もひとしおだ。撮影は2日がかりで何度も撮り直しがあった。多くの地元の人に観てほしい」と話していた。

 「山女」の終了日は未定。問い合わせは、まちキネ=電0235(64)1441=へ。

舞台あいさつで観客の質問に答える「山女」の福永監督
舞台あいさつで観客の質問に答える「山女」の福永監督



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