2023年(令和5年) 8月11日(金)付紙面より
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鶴岡市大西町の女子児童・生徒でつくる「大西町みかぐら隊」が9日、市内の老人福祉施設2カ所を慰問した。小学生から高校生までの女子15人が訪れ、稲作の田植えから収穫するまでを表現した「みかぐら」を踊った。
大西町には地域の財産として受け継いでいる踊り「みかぐら」がある。朝六小が開校したころ、当時の教諭が始めた「みかぐらクラブ」が学区の町内会へと広がった。しかし、近年は時代の移り変わりと少子化が進み、今でも活動を続けているのは大西町内会だけ。現在は小学5、6年生の小学生と中高生の女子合わせて約30人が伝統の踊りを守り続けている。
みかぐら隊は例年、夏休みになると午前6時から2時間の練習(1週間)に入る。女子高生がコーチとなり初めて覚える小学生を丁寧に指導。先輩から後輩へ受け継ぐ「地域教育」としても取り組んでいる。練習を重ねた子どもたちは8月上旬に大西町の公園で行われる夏祭り(盆踊り)で成果を披露。2009年からは福祉施設を慰問し高齢者とふれあいを深めている。コロナ禍以降、慰問活動は中止となっていたが今回、4年ぶりに「再開」した。
この日は、みかぐら隊のメンバーのほか、保存会の渋谷良会長(66)らが付き添い、JA鶴岡げんき館デイサービスセンター(鶴岡市青龍寺)とニチイケアセンター鶴岡(若葉町)を巡回慰問した。
このうち、げんき館では法被姿の子どもたちが伝統のみかぐらを元気に踊りホールに集まったお年寄りを楽しませた。
今回の慰問を最後に「引退」となる高校三年生の高橋愛佳さん(18)は「小学生のころは、みかぐらの振り付けを覚えるのが大変だった思い出がある。今日は8年間分の思いを込めて踊ることができた。大人になっても『みかぐら隊』の活動をバックアップしていきたい」と笑顔で話した。
大西町みかぐら保存会の渋谷会長は「少子化が進むにつれて、隊の活動はますます重要性を増してくると思う。特に慰問活動は、踊りの発表だけでなくお年寄りと直接触れ合うことで、いたわりと思いやりの心を育んでいる。これからも子どもたちの活動を応援していきたい」と話した。