2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より
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鶴岡市添川の両所神社(菅原光保宮司)で18日、例大祭が行われた。伝統の「御獅子舞」(獅子踊り、市指定無形民俗文化財)が奉納上演され、5頭の獅子が腰に付けた鼓を打ち鳴らしながら舞う独特の踊りが祭り客を楽しませた。
鶴岡市藤島地域は「獅子郷」と呼ばれるほど獅子踊りが盛んで、一人立ちの獅子5頭が胸や腰に付けた太鼓をたたきながら踊る伝統の様式が、多くの集落で受け継がれている。中でも添川地区の獅子踊りは歴史が古く、1686(貞享3)年に同神社が現在地に建立された時の大祭典で、若衆が競って奉納したのが起源とされる。現在は地元住民でつくる保存会(太田清士会長)が踊りを承継している。1972年に旧藤島町が無形民俗文化財に指定した。
コロナ禍や悪天候などのため、神社境内で獅子踊りが披露されるのは4年ぶり。この日は神事の後、午後2時過ぎから太鼓を先頭に、老若男女の住民100人余りが奴振りや花梵天、みこしなどの行列をつくり、社殿の周りを3周した。
境内でのくねりが終わると、地元の20~30代の青年5人による獅子踊りが社殿南側で始まった。謡に合わせて獅子たちが「ダダッコ、ダダッコ」と独特のリズムで腰の太鼓を鳴らし、山鳥の尾や鈴などで飾った頭を左右に激しく振りながら体を覆った紺色の幕をクルクルとはためかせ、勇壮な踊りを披露した。
獅子踊りのメンバーとなって2年目の寒河江智大さん(20)は「7月初旬から土日以外は毎日1時間半ほど練習してきた。大勢の見物客がいるので緊張するが、獅子踊りを楽しんでほしい」と話していた。