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2023年(令和5年) 9月9日(土)付紙面より

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一日一題 緑を守る活動の輪を広げたい

 鶴岡緑の少年団が「みどりの奨励賞」(全国緑の少年団連盟会長賞)を受賞した。つるおか大産業まつりでの「緑の募金活動」や、鶴岡市油戸の「魚の森」などでの植林活動などが評価された。緑を育て、森を保全することは自分たちの生活環境を守ることにもつながる。緑の少年団のような、地域活動の広がりが、地球全体の環境を守る土台になる。

 林野庁は公益社団法人・国土緑化推進機構などの事業を通じて、次世代を担う子どもたちに緑と親しみ、緑を守り育てる活動を後押しし、併せてふるさと愛も醸成する。緑の少年団の構成団体は児童・生徒・保護者・地域グループ・子ども会など。全国47都道府県に約3200団体、約33万人が参加している。

 鶴岡緑の少年団は1974年、県内第1号として設立されてから49年を迎えた。鶴岡市は広域合併で、市としての市域面積が東北では一番広い。もちろん森林面積も。本年度のみどりの奨励賞は全国で10団体が受賞したが、東北では同少年団が唯一の受賞。これからの活動の励みになる。

 日本は先進国の中で森林大国という。国土に占める森林率約7割のほぼ半分が天然林、約4割が人工林。しかし国内の林業者の9割は小規模・零細業者で、近年は輸入材に押されている。国有林も間伐が行き届かないなど、政府の管理が十分でなかったことで荒廃が進んでいる。森林は水源かん養、二酸化炭素の吸収、生物多様性を維持するなど多面的な機能を持ち、人間社会の環境を支えている。荒れた森林はなかなか元に戻せない。それだけに鶴岡緑の少年団の活動のように、子どものころから緑を守り育てる意識を広げ、持続させていかなければならない。

 庄内は山地や農地が広い。庄内赤川土地改良区(鶴岡市)が、2022年度の農林水産省東北農政局「ディスカバー農山漁村の宝」の優良事業例8地区の一つに選ばれた。同改良区は約1700ヘクタールの水源かん養林を抱え、山や川の役割を伝える水利用施設の見学会、林間学校を開いた活動がコミュニティ・地産地消部門で評価された。

 日本は美しい山ときれいな水に恵まれた国だ。緑の森に囲まれた景色と環境は人々の心を落ち着かせ、森林浴をすれば健康的になるという。それだけでなく、森林は農林水産業の土台となっている。

 県は50年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンやまがた」を掲げている。県土の約72%を占める森林は、地球温暖化にストップをかけ、これ以上加速させないための、二酸化炭素を吸収する役目を担っている。そうした森林を守り、育てるのは若い世代から森を愛し大事にする心を醸成することにある。鶴岡緑の少年団はそうした目標の原点になっていると言える。活動の輪がより広がることを願いたい。

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