2023年(令和5年) 9月9日(土)付紙面より
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鶴岡市早田の道の駅「あつみ」しゃりんで7日、「あつみの魚屋 さがなぁや」が開店した。9月に入り庄内浜での底引き網漁が解禁されたことを受け、今月26日まで20日間の期間限定オープン。敷地内の鼠ケ関水産加工生産組合の販売ブースで、鼠ケ関港で水揚げされた鮮魚や刺し身、すしなどを販売している。
鼠ケ関港で随一の水揚げを誇るホッコクアカエビ(紅エビ)をはじめイカ、タイ、ホッケ、サワラなど、温海地域のイメージの一つである「新鮮でおいしい魚」を身近に感じてもらおうと、しゃりんを経営するクアポリス温海(矢口泉支配人)が企画。期間限定オープンは今年6月末から20日間にわたり行われており、今回は第2弾となる。
初日の7日は鼠ケ関港で水揚げされたばかりの鮮魚として2・7キロのヒラメや約2キロのタイ、高級魚のノドグロ、30センチ近いウマヅラ、レンコダイ(キダイ)、ガサエビなどのほか、近年になって庄内浜で揚がるようになった珍しいチカメキントキなどが並んだ。いずれの魚も300円の追加料金で三枚おろしにしてくれる。
初日は「市場より少しサービスした値段」(さがなぁや料理担当者)として、ノドグロが1尾1800円、20センチ超のサバ1尾300円、ウマヅラ600円、チカメキントキは900グラムの大きなサイズで1800円。ガサエビは1パック(200グラム)600円と、買い求めやすい値段となっている。
また、すしはその日に仕入れた魚で内容が変わる。初日はヒラメとアラ、コリコリした口当たりのチカメキントキ、脂の乗ったユメカサゴ、甘エビ、イカの6貫で800円。9日からは2貫分のシャリの上にこぼれるほど紅エビを乗せた「紅エビのこぼれ寿司」を販売する。
このほかアカラ干しやアオサ、イカの一夜干し、塩辛など加工品も豊富にそろえている。東京都内から庄内町の実家へ帰省中という40代の夫婦は「すしを購入した。庄内浜の魚はどれもおいしく、特にイカは別格。初めて食べたチカメキントキはヒラメに似たさっぱりした食感だった」と満足そうに話していた。
道の駅あつみは、開通に向けて工事が進められている日本海沿岸東北自動車道の鼠ケ関インターチェンジ北西へ移転する予定。クアポリス温海の矢口支配人は「鼠ケ関と言えば魚。さがなぁやを通して道の駅を訪れる観光客、買い物客に庄内浜の魚のおいしさを伝えるとともに、鮮魚の需要がどれほどのものか実証実験も兼ねている」と話していた。