2023年(令和5年) 9月13日(水)付紙面より
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県立加茂水産高校(齋藤祐一校長、生徒63人)の実習船「鳥海丸」(倉本照幸船長)による2年生海洋技術科航海系と工学系の総合実習航海出航式が11日、酒田市の酒田港東埠頭(ふとう)で行われ、漁業技術者や機関士を志す生徒9人が11月初旬まで約2カ月にわたる航海実習に出発した。
乗組員15人、教員2人と共に乗船した生徒たちは11月5日まで、日本海(北海道沖)や太平洋(小笠原沖)でイカ釣り、カニ篭(かご)、マグロはえ縄といった漁労実習を行いながら、船舶の運用や運航、航海技術、機関操作の技術などを学ぶほか、北海道の函館港で造船所を訪問、造船に関する研修を行う予定。これまでは航海系と工学系が分かれて実習航海を行っていたが、生徒数の関係で本年度から合同で実習航海に臨む。
出航式には全校生徒や教職員、保護者らが参加。鳥海丸を背に横一列に並んだ実習生らに対し、齋藤校長は「目標達成に向け真摯(しんし)に臨み、校訓『熱・意気・団結』の精神で互いに励まし合い、協力し合って乗り越えてほしい」と激励した。
倉本船長と実習生代表に花束が贈られた後、倉本船長は「乗組員一丸となって全力でサポートするので、実習に励んでほしい。実習中の安全航海に努める」と。実習生代表の渡部茜来(せんら)さん(16)は「仲間たちと一丸となって、有意義な航海となるよう臨みたい」と決意を述べた。
乗船した実習生たちに応援団からエールが送られ、船が岸壁を離れ始めると、在校生や保護者、教職員が手を振り声援。船の上部甲板に並んだ実習生たちも盛んに手を振って応えていた。