2023年(令和5年) 9月14日(木)付紙面より
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記録的な暑さと少雨に見舞われている県内で、農作物や家畜・家禽(かきん)、水産物への影響が深刻化している。県は12日、高温・少雨による農林水産業への被害に関する緊急対策会議を開き、被害状況を確認した。厳しい暑さのため死んだ畜産・家禽の数は前年比2―10倍で推移し、被害額は過去最大となる見込みという。
県によると、8月は平均気温が県内全域で観測史上最高を記録。最上・庄内地域では8月の少雨が顕著で、酒田では降水量が平年比6%と観測史上最も少なかった。
水稲では、出穂期以降の高温の影響で刈り取り適期が7~10日早まると見込まれ、胴割れや白未熟粒の発生が懸念される。酒田市塚渕の一部のほ場など用水確保ができず枯れ上がりも確認された。
畜産では、昨年7月から9月までに家畜・家禽が死んだ数は牛33頭、豚39頭、鶏527羽だったが、今年は7月―8月時点ですでに牛91頭、豚78頭、鶏5630羽と前年の2―10倍で推移しており、被害額は過去最大だった2010年度の4735万円を上回る見込みという。
水産業では、酒田市や遊佐町の海面でイガイが死んでいるのが確認された。また、海水温が高い影響で紅エビ(ホッコクアカエビ)が薄い赤色に変色するなどの被害も報告されている。
会議には県や生産関係団体などの関係者が出席。今後は被害状況の共有を図り、対策を講じていくとした。