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2023年(令和5年) 9月16日(土)付紙面より

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政府が認知症対策をまとめるが

 超高齢化社会を迎え、厚生労働省によれば2025年には65歳以上の5人に1人、約700万人が認知症になると推定されている。岸田文雄首相は「認知症対策」を「国家プロジェクト」に位置付けた。6月に「認知症基本法」が議員立法で成立したことを受け、認知症問題は政府として避けて通れない重要課題として取り組むという。

 高齢化に伴ってさまざまな病を得る事は避けられず、中でも高齢者が一番恐れているのは認知症になること。首相を本部長に「認知症施策推進本部」を設置、認知症の人やその家族、有識者が参加する会議を開いて年末までに同本部としての対策を整備する考えだ。実効性のある対策は待ったなしだ。

◇      ◇

 認知症基本法は「認知症の人が自らの意思を持ち、地域で日常生活を営むことができるよう、多角的な支援策を講じる」などを基本理念とし、共生社会の実現のための研究を推進するとしている。24年度予算の概算要求で、厚生労働省の要求は33兆7275億円。23年度比5866億円増は、医療や年金などの社会保障費の増加によるが、認知症施策推進本部での対策にどの程度の予算が充てられるかは未知数。少なくとも選挙対策で「見切り発車」になることだけは避けてもらいたい。

 誰もが認知症にはなりたくないが、「高齢者の5人に1人は」となると、人ごとではいられない。まずもって認知症にならないための努力はしなければならない。よく耳にするのが心理療法の「回想法」。昔の出来事を思い起こして懐かしむ。写真を見て「昔はこうだった」などと、一つ思い出すことでそれに連動して別の過去を思い出す。

 以前、鶴岡市の小学生が高齢者と交流、「小さい頃の遊び」や「最近の楽しみ」などを尋ねたという。回想法は記憶を呼び戻させて脳に負荷をかける効果がある。映像による視覚情報が豊かになった分、脳が働かなくなるとも言われる。そのことからすれば、時には「見る」から「探す」という、身の回りの思い出探しで、受け身から攻めの生活をしてみたい。

◇      ◇

 鶴岡市は認知症予防策に(1)適度な運動をし、人と積極的に交流し、健康の源のバランスのある食を心掛ける(2)歌を歌いながら掃除するなど、2つのことを同時進行で行うことで、脳の働きを活発にさせる(3)前日の食事の献立を思い出して書いてみたり、1日か2日前の出来事の日記を付けてみることなどを掲げている。それほど難しいことではないようだ。

 認知症、特にアルツハイマー病の進行を抑える治療薬も開発されている。しかし「予防は治療に優る」とのことわざがある。類語では「転ばぬ先の杖」で、地域に飛び出して人と会話する。おっくうがらずに積極的になることが、認知症予防策になることを、老人週間にしっかり考えたい。

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