2023年(令和5年) 9月19日(火)付紙面より
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アイデア発想の仕方やデザインについて学ぶ「デザイン×キャリア教育プログラム」が15日、酒田市の松山小学校(佐々木宏校長、児童110人)で行われ、5年生18人がオンラインでデザイナーの職業について学びを深めた。
子どもの教育格差縮小に向けた取り組みの一環として、一般社団法人「プロフェッショナルをすべての学校に」(プロ学、代表・塩田真吾静岡大学教育学部准教授)、電子機器大手「ソニーグループ」(本社・東京)が協働で実施。子どもたちの多様な価値観・職業観を育むことを目的に、全国の中山間地域や離島の小学校を対象に、遠隔授業に取り組んでいる。
この日はソニー本社と松山小5年生の教室をウェブ会議ツール「Zoom」でつなぎ、ソニーでデザイナー業務を行う清水稔さんが講師を務めた。児童らは清水さんに向かって、事前学習で1カ月ほど前から取り組んでいた、地元の魅力を伝えるデザイン「ふるさとマーク」を班ごとに発表した。
「ふるさとマーク」は直径約15センチの円中に松山の魅力を詰め込んだオリジナルの絵を描いたもの。児童たちが鳥海山や田んぼ、夕日などを取り入れたマークを手にこだわったポイントなどを発表し、それに対して清水さんは「左右対称でバランスがいい」「マークの外にも世界が広がっているように感じる」と力作にアドバイスや良いところを伝えていた。
清水さんは「デザインの仕事に絵がうまい、下手は関係ない。訴えたいこと、伝えたいことをどれくらい分かりやすく伝えられるかが大切。さまざまなことに興味を持ち、取り組んでみてほしい」と仕事のやりがいや重要性などについて分かりやすく説明した。児童のリクエストで東京の景色が画面に映されると、地上19階から見えるビル群の景色に児童たちから歓声が上がっていた。
授業を受けた石川成仁(なるひと)君(10)は「班のアイデアをまとめて絵に描くのが難しかったが、楽しくできた。デザインの職業に少し興味が湧いた」と話した。