2023年(令和5年) 9月22日(金)付紙面より
ツイート
鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)で18日、「音楽の夕べ―あなたとクラゲと音楽と―」が開かれ、特別編として歌手の白崎映美さんとギターの内橋和久さんが出演し、満場の観客を大いに沸かせた。
新型コロナウイルス感染症が5類になり従来の席数に戻しての開催。同館が誇る直径5メートルの大水槽「クラゲドリームシアター」前広場で行われる本イベントは、今まで各方面から多数の音楽家が出演し、聴衆は幻想的な空間の中でジャズやクラシック音楽などを満喫してきた。
この日は、欧州から帰国したばかりの世界的な即興演奏家の内橋さんのギター伴奏1本で、酒田が生んだ歌姫・白崎さんが変幻自在な歌唱を披露。その昔、劇団維新派の音楽監督を務めた内橋さんのギターが紡ぎ出す静ひつで幻想的な世界に白崎さんの妖精のようなスキャットが絡む1曲目から、「アヴェ・マリア」「最上川舟唄」と一気に歌い込み、4曲目は白崎さん十八番のシャンソン「群衆」庄内弁版で会場はクライマックスに。「丘を越えて」では会場は総立ちで興奮の嵐となった。
アンコールに呼び戻された2人は歓声に応えて「宗右衛門町ブルース」で大団円。興奮冷めやらぬまま閉会となった。序盤に挟み込んだ庄内の昔話「サルとカエルの餅とりばっこ」も大好評で爆笑の嵐。エンターテイナーとしての白崎さんの懐の広さに観客・スタッフのすべてが舌を巻いた。
終演後、白崎さんは「たくさんのクラゲたちと一体となり、とても幸せな気持ちで歌うことができた。いろんな命と一緒に同じ時代を生きていることに、手を合わせたい気持ちになった」と話し、「クラゲドリームシアターで歌うという夢がかなってうれしい」と続けた。