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2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

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フル規格新幹線の早期実現を

 県が公表した基準地価で、庄内の住宅地、商業地、工業地を合わせた平均変動率は25年連続の下落だった。ただ、県内で上昇率が高い上位5地点のうち、酒田市相生町一丁目のプラス1・4%が2位、駅に近接する同市ゆたか一丁目が同1・2%で3位だった。県不動産鑑定士協会は「酒田駅前の再開発事業と、日本海沿岸東北自動道(日沿道)延伸の効果」を挙げている。交通のアクセス向上が優れているということであろう。

 地価は景気を計る指標の一つとされ、「地の利」ともいえる。北海道では8割の市町村で下落しているのに、札幌市周辺は住宅地、商業地とも大幅に上昇しており、2030年の北海道新幹線開業を見越した動きが背景にあるとみられている。

◇      ◇

 山形県は高速鉄道の整備から後れを取っている。県内では山形新幹線が走っているが、新庄―福島間は在来線を改良したミニ新幹線で、部分的だが最高速度は130キロ。高速鉄道整備の悲願はフル規格による「奥羽新幹線・羽越新幹線」が走ること。1973年に政府の基本計画に位置付けられたが、依然として整備新幹線に格上げされていない。同時に基本計画になった北海道・北陸・九州の各新幹線は、ほぼ完成に近づいている。

 先ごろ、フル規格新幹線の実現を目指す「県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟」(会長・吉村美栄子知事)の促進大会が開かれた。同同盟会は16年に設立された。今度の大会では奥羽新幹線整備の当面の課題となる「米沢トンネル(仮称)」の早期実現の大会決議を採択、併せてPRのロゴマークも披露した。しかし、「山形県の未来を拓く希望のトンネル 山形新幹線 米沢トンネル」のキャッチフレーズから、羽越新幹線の“姿”があまり感じられない。

 北陸新幹線は来年3月、金沢―敦賀間の延伸開業が決まり、23日から試験走行が始まった。将来は大阪までつながる、東京―北陸新幹線―東海道新幹線―東京を乗り継ぐ“環状新幹線”となる。あまりにも人口集中圏重視の、政府の鉄道政策である。

◇      ◇

 地価公示で、酒田市の中心市街地の一部でようやく地価がプラスに転じた。高速交通網の整備が少なからず地方の土地の付加価値を高めるという、専門家の指摘もある。庄内空港があり、日沿道の未接続区間の整備も進んでいる。残すは羽越新幹線の整備あるのみ。

 札幌市周辺の地価の変動率はプラス30%も上昇、企業進出も相次いでいる。大都市圏という好条件があるとしても、新幹線の開業効果を見越した動きが背景にある。奥羽・羽越新幹線が国の基本計画に位置付けられてから、手付かずのまま50年が過ぎた。その中で、羽越新幹線は奥羽新幹線にも後れを取っている感さえある。庄内挙げて県や国への働きかけを強めたい。

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