2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より
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鶴岡をはじめとする県内の旬の在来野菜について知り、味わおうという「アル・ケッチァーノ アカデミー講座」が18日、鶴岡市遠賀原のアル・ケッチァーノで行われた。昨年11月に「藤沢カブ」を取り上げて第1回講座を行って以来、宝谷カブ、山形赤根ほうれんそう、孟宗、山菜、外内島キュウリなどをテーマに同店シェフの奥田政行さんが調理し、山形大学農学部教授の江頭宏昌さんが解説。参加者は食材についての知識を深めてから味わうというスタイルで開催。7回目となった今回は、晩生(おくて)のものが食べ頃になった「だだちゃ豆」を取り上げた。通常、講座の定員は16人だが、今回は人気、食味、生産量、収獲高など全国でもトップレベルのだだちゃ豆のさまざまな調理方法が紹介されるとあって30人余りが参加。江頭さんのほかに元山形大客員教授の赤澤經也さん、松柏会の大場裕子(ゆうこ)さん、生産農家の富樫裕子(ひろこ)さんらがゲストスピーカーで参加した。
奥田さんが「東京の大手食品メーカーが講座を開いても、これだけの講師陣は集められない」と話すだけあり、だだちゃ豆の由来や栄養価、新品種の育成、ゆで方などさまざまな角度から、だだちゃ豆のおいしさの秘密を探った。
今回出されただだちゃ豆は、平田、本白山、細谷、甘露、赤澤3号の5種類。最初に塩ゆでしたものを食べ比べ。エビのリゾットやポタージュ、ピクルス、カニとだだちゃ豆のシーザーサラダ、奥田さんがミラノ万博で提供したフリーズドライのだだちゃ豆と鶏のチーズリゾットなどが次々と運ばれた。また、だだちゃ豆のジェラートに本みりんを掛けて、栗のような味わいになる変化も体験。参加者は「大好きなだだちゃ豆がますます好きになった」などと話しながら、豆を口に運ぶ手が止まらない様子だった。
講座は今後も食材を変え、継続していくという。