2023年(令和5年) 9月29日(金)付紙面より
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市場に出回ることが少ない魚をテーマにした調理講習会が26日、鶴岡市中央公民館女性センターで開かれた。イタリア料理店の「資生堂パーラーFARO」(東京・銀座)で副料理長を務める前田祐二さん(44)=酒田市出身=を講師に、低利用魚をおいしく調理するポイントを学んだ。
年々、魚介類の水揚げが減少する中で低利用魚の有効活用を図ろうと今年5月に発足した「ネクストジェネレーションフィッシュ研究会」(事務局・鶴岡市農山漁村振興課、会員26人)が企画した。
講習会には鶴岡市内の料理人や鮮魚店の店主、水産関係者ら研究会のメンバー16人が参加。キツネダラ、ハナタラシ、アブラツノザメ、カスベ、サバコといった低利用魚を用意しパスタやムニエルに仕上げた。
魚亭岡ざき(鶴岡市美咲町)の岡崎雅也さん(43)は「とても参考になった。低利用魚のオリジナルメニューを考えてお客さんに提供したい」、ポムドテール(鶴岡市昭和町)の有坂公寿さん(41)は「取れる魚が少なくなる中、料理人の一人として低利用魚の価値を高める努力をしていきたい」と話した。
前田さんは「店では『ミシマオコゼ』や『ブダイ』といった低利用魚を仕入れている。一般に知られていないだけで(低利用魚には)おいしい魚がたくさんある。ただ、見慣れないとか、売れない魚だと敬遠され、いつも買える状態になっていないのが課題。低利用魚の消費拡大には私たち料理人の他に漁師さん、市場、流通、販売関係者など地域全体で取り組むことが大切だと思う」と語った。