2023年(令和5年) 9月30日(土)付紙面より
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がんにおけるエピジェネティクス(遺伝子周辺の環境変化)研究分野で国際的に活躍している研究者が集まり、最新の研究成果を発表する「鶴岡カンファレンス(会議)2023」が28日、鶴岡市覚岸寺の市先端研究産業支援センターレクチャーホールで始まった。30日まで3日間にわたり、国内外の研究者23人が発表し、それぞれの内容について意見を交わす。
庄内地域産業振興センター主催、国立がん研究センター、慶應義塾大先端生命科学研究所共催。研究者たちによる学術的な議論を通し、がん代謝研究をはじめ抗がん剤や免疫などがん研究のさらなる発展、研究ネットワークの構築などを目的に開催した。
今回のテーマは「Roles of epigenetic factors in cancer」(がんにおけるエピジェネティクスの法則)。本来、遺伝子の構造変化ががんを引き起こすものと理解されている。しかし近年の研究では、遺伝子周辺のタンパク質などによる環境変化ががんの発生に関わっていることが判明している。このタンパク質に多く含まれる酵素の働きを阻害することで、がんの治療の一助となる可能性が指摘されており、エピジェネティクス関連因子の役割を明らかにすることで新たな治療薬開発につながることが期待されている。
初日の28日は現地参加の約20人のほか、オンライン参加もあった。セッションは全て英語で進められ、会議全体の世話人を務める国立がん研究センター鶴岡連携研究拠点チームリーダーの横山明彦さんをはじめ、国内の研究者5人と米国の研究者3人がそれぞれの研究成果を発表した。
各発表の後は質疑応答が行われ、参加者と発表者が盛んに意見を交わし合った。3日間で総参加数は約100人になるという。