2023年(令和5年) 10月3日(火)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館魚匠ダイニング沖海月は7日から庄内藩初代藩主・酒井忠勝公にちなんだ「天府(てんぷ)の国 御褒美(ごほうび)膳」を提供する。荘内大祭(6日)に合わせて庄内藩の歴史をお膳で表現しようと須田剛史料理長(47)が考案した。江戸時代に湯殿山の中腹で作られていたといわれる「湯葉」の刺し身や茶わん蒸しを添えた。
御褒美膳は湯葉のほかにマダイの手まり寿司や天ぷら、焼き豆腐の田楽、芋煮、弁慶飯、大山下池のからしレンコンなど。須田料理長が「忠勝公が食べていたであろう」と想像を膨らませながら江戸時代初期の食材を文献で調べ、現代風にアレンジした。食の歴史をひもとくうち1834年に刊行された荻生徂徠の書に湯殿山で「湯婆」と呼ぶ食べ物があり、現在の「湯葉」の語源につながったという記述も見つけた。
須田料理長は「領内の検知や城下の町割りなど酒井家の基盤を築いた忠勝公は家来に御褒美を与えることを惜しまなかったといわれる。『東南に出羽三山などの山々が連なり、いわゆる天府の国だ』とこの地を絶賛した言葉をそのままお膳の名前にした。県外から訪れる来館者に料理で庄内藩の歴史を伝えられれば」と話した。
御褒美膳は税込み2000円。1日10食限定で今月31日まで提供する。問い合わせは沖海月=電0235(64)8356=へ。