2023年(令和5年) 10月3日(火)付紙面より
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酒田市日吉町二丁目の国登録有形文化財「山王くらぶ」で開催中の「第18回港町酒田の傘福展」の入館者が30日午後、1万人に達し節目となった都内在住の女性に記念品が贈られた。
展示は、酒田商工会議所女性会(岩間奏子会長)が2005年、女性会の設立25周年記念事業の一環とし、伝統工芸を復活させ後世に引き継ぐとともに、「庄内ひな街道」に彩りを加えようと企画。翌06年に第1回を行って以来、毎年開催している。18回目の今年は大小約50基を展示し、2月末に開幕した。
節目の入館者となったのは、市と友好都市交流協定を結ぶ東京都北区在住の会社員、福岡育代さん(61)。市が制定する本年度「第29回土門拳文化賞」で奨励賞を受賞した福岡さんは、翌1日の授賞式出席のため酒田入り。自転車で市内を散策中に山王くらぶに立ち寄り、1万人目となった。
コロナ禍の影響で入館者1万人突破は4年ぶり。セレモニーは大広間で行われ、傘福制作に携わる市内在住の女性でつくるNPO法人「かさふく」代表理事も兼ねる岩間会長が「酒田に縁のある女性で、選ばれるべくして選ばれたという感じ。幸せの輪をぜひ広げてほしい」と述べ、高さ30センチほどの傘福の置物を福岡さんに手渡した。
今野紀生市交流観光課長、荒井朋之酒田DMO理事長から祝福を受けた福岡さんは「とてもうれしく光栄に思う。これを機に酒田の文化についてもっと知りたくなった。ぜひ寺社につるされている傘福も見たい」と話した。
このほか、同日午後の入館者には記念品が贈られた。「湊町酒田の傘福展示」は11月5日(日)まで。