2023年(令和5年) 10月5日(木)付紙面より
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お気に入りの本を持ち寄って紹介し合う読書会が1日、鶴岡市の国指定重要文化財・旧風間家住宅「丙申堂」で行われた。参加者たちは雨上がりの庭の緑を楽しみながら、本にまつわる話に花を咲かせた。
企画したのはチームまちじゅう図書館で、一昨年に解散した「読書のまち鶴岡をすすめる会」の専門部の一つ。本が読める施設をマップで紹介し、スタンプラリーも行う「まちじゅう図書館マップ」の作成や、荘内日報への「私の一冊」掲載などを引き継いだほか、2019年8月から毎年1回、読書会を開いている。これまでに旧朝日村のたにしの楽校、鶴岡・銀座通りのまちづくりスタジオ鶴岡Dadaで開催。コロナ禍で休止した年もあり、4回目となった今回は「秋、丙申堂で読書会」と題し、初めて丙申堂を貸し切って行った。
参加したのは高校生から80代まで幅広い世代の30人。6つのグループに分かれ、座敷や茶の間にセットしたテーブルに着き、各自が持ってきた本を紹介したほか、本について自由に語り合った。
紹介された本は、こんのひとみの「くまのこうちょうせんせい」のような絵本や樺沢紫苑の「読書脳」や藤野英人の「もしドラえもんの『ひみつ道具』が実現したら」のような実用書などさまざま。聴覚障害の周辺を扱った丸山正樹の小説『わたしのいないテーブルで』を紹介した男性は、「本を読み、映画やドラマにもつながって、手話や要約筆記の研修にも参加している。本が新しい世界を開いてくれた」と、読書が生き方に影響する例を挙げていた。
他にも「自分では選ばないと思われる本も紹介され、興味が広がった」「実際に会って本について話ができる機会があるのはいいことだ」「丙申堂の雰囲気がとても良くて和んだ」といった感想が出された。
同チームでは、全体会を行わない代わりに後日、紹介された本を冊子にして参加者に配布するという。