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2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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洋上風力発電が大きく前進する

 経済産業省と国土交通省は、遊佐町沖で導入を検討していた洋上風力発電について優先的に整備する「促進区域」に、酒田市沖は促進区域の前段階の「有望な区域」に指定した。遊佐沖は再エネ海域利用法によって発電事業者の公募や選定が可能になり、事業化が前進する。一方、地元や漁業関係者らの不安が解消されたとは言えず、今後も理解を得る丁寧な説明が求められる。

 洋上風力発電事業は、既に営業運転している秋田県沖が先行している。今回遊佐沖と一緒に青森県沖も促進区域に指定した。日本海側は風況などから洋上風力発電導入の潜在力が大きい事になる。日本だけでなく、地球温暖化問題を考えれば、自然の恵みは大いに生かさなければならない。

◇      ◇

 遊佐町沖については昨年1月、国、県、町、漁業関係者らによる法定協議会を設置。選定された発電事業者が守るべき留意事項なども含め、促進区域指定のための合意形成がなされてきた。遊佐沖の風車は基礎を海底に固定する着床式を想定、漁業者の要望を受けて海岸線から1カイリ(1852メートル)離れた先の、沖合約5キロまでの南北約8・3キロ、4100ヘクタール余の範囲を想定。選定された事業者は30年間、優先的に事業が認められる。

 太陽光発電も含めた再生エネ導入は、脱炭素社会に向けて喫緊の課題。中でも陸上より発電効率が大きい洋上風力発電導入は、世界の流れになっている。県も2018年、「県地域協調型洋上風力発電研究・検討会議」と「遊佐沿岸域検討部会(遊佐部会)」を設立して議論を進めてきた。

 遊佐沖の促進区域指定で、洋上風力の事業化が加速する。しかし導入を不安視する声もある。これまでの住民説明会などで示された構想は、高さ260~300メートルの大型風車30基前後の建設が計画され、景観、漁業、低周波音などの影響がないか、周辺住民が不安を抱くのは当然であろう。時田博機遊佐町長も「事業にはさまざまな心配や不満の声が寄せられている」と語っている。行政や事業者がしっかり耳を傾け、不安を解消して理解を得るのは当然のこと。

◇      ◇

 有望な区域に指定された酒田沖は、今後法定協議会が設置され、導入への課題の詰めの作業が進められる。酒田沖の範囲は沖合約4キロ、南北約22キロの広範囲に及ぶ。酒田市や地元経済界は酒田港の「拠点港湾(基地港湾)」としての機能強化、地域活性化につながるなどとして導入に積極的だ。

 今年の夏、猛暑の報道を連日見聞きした。先頃の世界気象機関(WMO)の発表でも、9月の世界の平均気温は史上最高だった。加速する地球温暖化を止めなければ、今後も気温の上昇は続くとされる。温室効果ガスを出さずにエネルギーを確保するために、再生可能エネルギー導入は避けて通れないのではないか。

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