2023年(令和5年) 10月13日(金)付紙面より
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鶴岡市朝日地域の月山ダムの利水容量は、極端な少雨で過去最低となった先月11日の36・2%から1カ月が経ち54・4%まで回復した。今月初めに降ったまとまった雨と、年間約4割を占めるかんがい用水の出水(利水)が例年通り先月15日に終了したことでダム湖に水が蓄えられた。
月山ダム管理所によると先月11日の有効貯水率は11・9%。2002年にダムの運用が始まって以来、最も低い数値となった。
飲料水や農業用水などに使う利水容量は650万立方メートルまで落ち込んだが、2040万立方メートルに持ち直した。ダム湖の水位(標高で表示)は現在240・86メートル。先月11日時点は223・74メートルだった。上流部にある八久和ダムの水位が回復し梵字川を通じて月山ダムへ水が供給されたことも回復につながった。過去最低となった月山ダム湖の水位だが、それでもまだ利水できる範囲内で少雨となった今夏、飲料水やかんがい用水の渇水被害はなかった。
月山ダムの総貯水量は6500万立方メートル、このうち有効貯水容量は5800万立方メートル。赤川の洪水防止、庄内南部のかんがい用水、鶴岡市を中心とした飲料水を賄う。水力発電で年間約9000戸に相当する電力も生む。ダム湖には梵字川と田麦俣川の雨水や雪解け水が集まる。