2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より
ツイート
全国脊髄損傷者 連合会山形県支部 適切な利用に理解を 取り組み状況伝える写真や必要性訴えたポスター展示
車椅子使用者のための車両駐車スペースを鮮やかな青色で示す「全面青色塗装活動」を紹介する展示が、鶴岡市役所1階ホールで行われている。現在は全国に広がる活動だが、2004年に車椅子使用者の団体・全国脊髄損傷者連合会山形県支部が庄内地域で始めたのがきっかけ。展示では、同支部がバリアフリー・ユニバーサルデザインの推進功労者として功績を認められて受賞した内閣府特命担当大臣奨励賞の表彰状などを配置し、青地に白色の車椅子マークの駐車スペースの適切な利用を呼び掛けている。
幅3・5メートル以上を必要とする「車椅子使用者用駐車施設」は以前から設置されていたが、認知不足もあって一般の人の車の駐車が相次いでいた。酒田市在住の県支部会員が04年、「国際シンボルマークを青地に白で塗装すれば不適切な利用を防げるのでは」と提案し、同市内で全国第1号という「全面青色塗装」が実現した。
活動はその後、先駆けとなった庄内地域から県内全域、今は全国各地に広がり、路面の塗装に協力するボランティア活動も活発に行われている。県支部にはノウハウや車椅子マークの型枠の提供依頼も多くあり、取り組みが普及。昨年12月に大臣表彰を受け、首相官邸で行われた授賞式では岸田文雄首相にも全国に広まった活動状況を紹介した。
鶴岡市役所での活動紹介では、授賞式の様子や鶴岡市内をはじめ各地の全面青色塗装の実施状況などを伝える写真のファイル、表彰状、車椅子使用者が車両の乗降に広いスペースが必要なことを青色塗装のイラストで示した国土交通省の啓発ポスターなどを展示した。
当初から活動の中心で強力に取り組みを推進し、首相官邸の授賞式で岸田首相に活動を説明した全国脊髄損傷者連合会副代表理事で県支部青色プロジェクト長の小林光雄さん(75)=鶴岡市板井川=は「展示を通じて青地に白い車椅子マークの塗装が、どういう人たちのための駐車スペースかを改めて知ってもらい、理解が深まるきっかけになれば」と話した。展示は10月31日(火)まで。