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2023年(令和5年) 10月18日(水)付紙面より

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新そばの季節にうれしい知らせ

 新そばの季節にうれしい知らせが届いた。鶴岡市温海地域の越沢自治会が「第62回農林水産祭」(農林水産省、財団法人日本農林漁業振興会)の「むらづくり部門」で内閣総理大臣賞に選ばれた。過疎化で人が減ることに手をこまねいているのでなく、在来作物の「越沢三角そば」を起爆剤に、地区を挙げて元気づくりに取り組んだ活動が認められた。

 ユネスコ食文化創造都市の鶴岡市では、各地区で伝統的な在来作物が守られていて、中でもそばを地域おこしや、住民の生きがいづくりにつなげているケースも多い。今月下旬から市内各地で新そばまつりが予定されている。食べ歩きも楽しいに違いない。

     ◇       ◇

 越沢では100年以上前から「地そば」と呼んでそばを栽培していたが、実の形状などから「越沢三角そば」と呼ばれるようになったとされる。そばの起源には信濃国(長野県)とのつながりがあるとの言い伝えもある。2016年に山形県の在来作物に認定された。74世帯、224人が暮らす越沢で中学生以上を対象にした地域活性化ビジョンに関するアンケートを実施し、越沢のそばを売り出すことが提案された。

 そばに寄せる期待と熱意は強く、越沢三角そばのブランド化のため、自治会が全量を固定価格で買い取ることにした。地域が一丸となって知名度アップに取り組もうとする意気込みの表れでもある。越沢三角そばの発信拠点は自治会が運営するそば処「まやのやかた」。店名は越沢が霊峰「摩耶山」(標高1020メートル)への登拝道口であることに由来、摩耶連山の伏流水「郷清水」があることも、まやのやかたで提供するそばの味を引き立てている。

 かつては、ほぼ自家消費用だったそばが、地域づくりの主役になって栽培農家も増え、現在は集落内の作付面積の約9割が三角そばになり、種子の流出を防ぐため商標登録もした。今回の農林水産祭むらづくり部門内閣総理大臣賞は、天皇杯に次ぐ賞。住民総参加による地域づくりは、過疎に悩む地域の元気づくりの参考になるのではないか。

     ◇       ◇

 鶴岡市では昨年2月、櫛引地域の「ふるさとむら宝谷運営管理組合」が、地域活性化に貢献したことで、総務省の「ふるさとづくり大賞」大臣表彰に選ばれている。同市は平成の広域合併で市としては東北で一番広い市域面積になった。そのため、中山間地帯に多くの集落が点在する。そうした環境で地域に潜在する活力を見いだすことの大切さを越沢や宝谷の人たちが教えてくれている。

 鶴岡市では22日から11月5日まで「つるおか新そばまつり」があり、市内のそば店で新そばを提供するほか▽越沢▽庄内あさひ▽ふるさと村宝谷▽田川の森ふるさと村―で新そばを味わえる。紅葉を見ながら出掛けてはどうか。

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